江戸川区が「はじめの一歩」

〜男女共同参画推進計画策定へ〜

「学校の名簿は男子が先なので、並ぶときはいつも男子が前だ」「児童会長は男子で、副会長は女子と決まっている」 さて、ジェンダーフリーの観点からそれぞれどこが問題か? これは今年の、ある私立中学校の入試問題です。
 99年、男女共同参画社会基本法が制定されてから、国や自治体ではジェンダーフリーの考え方に基づいた取り組みがすすめられています。しかし八月、都の教育委員会は「行き過ぎたジェンダーフリーに基づく男女混合名簿を導入しないよう」学校に通知しました。江戸川区ではすでに約七割の小学校、二割弱の中学校で使用されていますが、区は今後も継続すると冷静な対応をとっています。「いつも男子が先に何かをしたり、早く終わるのは不公平」「会長にふさわしいのが男子とは限らない」と、誰もが小さいときから自然に思えることが、真の平等社会につながっていくと思います。
江戸川区は、男女平等施策については23区の中で最も遅れをとっていますが、来年度、ようやく推進計画を策定することになり、公募委員を含めた区民会議が設置されました。傍聴をして感じることは、女性の就業、そして男性の育児参加を支援する施策の充実です。ポジティブアクションについては区役所がまず実行するとか、男性の育児休業を取り入れる事業所を顕彰する、また「女性センター」は「男女共同参画センター」とするなど、区民の意識を高める方策を打ち出していくべきです。
男女共同参画が、少子化を食い止める唯一の解決策でもあることを認識し、後発のメリットも活かしつつ、有効な計画がつくられることを期待しています。