廃プラスチック焼却(サーマルリサイクル)とごみ発電事業を問う

2006年7月7日 16時55分 | カテゴリー: 清掃・リサイクル

2006年第二回定例会一般質問

2008年度から予定されている「サーマルリサイクル」に関連して4点にわたり質問しました。以下、質問と区長答弁の要旨をご報告します。(写真は、6/1、23区の生活者ネットが東京23区清掃一部事務組合・坂田副参事に新会社のヒアリングをしたときの様子。区政会館19階会議室にて)  

1.決定プロセス

質問:ごみの問題は区民の生活に密接に関わるものであり、生活の質そのものを左右し、自治体の財政にも大きな影響を及ぼす重要課題。区長は区民との合意をとる段階を踏むべきであり、区長会での合意を区議会に諮った上で、区としての決定とするべき。決定のプロセスについて、区長会に問い合わせたところ「区長会の申し合わせに過ぎない」ということ、さらに区の決定については「区が方針案を定め、それを区議会に諮って初めて区の決定となる」と回答があった。この3月に策定された「江戸川区一般廃棄物処理基本計画〜Edogawaごみダイエットプラン」には、区における廃プラスチック焼却の実施がすでに明記されている。
江戸川区における「サーマルリサイクル」決定のプロセスについて伺う。

答弁:これまで、予算特別委員会や全員協議会(清掃事業移管について)などで、サーマルリサイクルのことについて検討しているということは伝えてきたつもり。しかし、十分な理解を求める機会がなかったことは事実である。
現有の清掃工場から、これ以上増やさないということ、これも方針の大転換といえる。現有工場で中間処理は共同で行うということを約束してすすめている。しかし、一組が独走することは不適切である。
皆さんが心配されている排ガス問題については、安全だと自信を持っている。

*前日、自民党議員の質問(有害化学物質などの問題もあるので、十分な配慮をもってすすめてほしい旨)があった。それに対して、「まずはできるだけリサイクルをすすめることが優先されること、また、容リ法の改正においても生産者責任が盛り込まれなかったことは問題で、今後も課題として残っていると認識している。」との発言があった。この中で、サーマルリサイクルをすすめる理由として、「埋め立て処分場の延命の問題と発電の効率を上げること」だと答弁したことについて
「サーマルをごみ発電の目的としているのか。ごみ政策でいちばん大事なことは何か、確認の意味をこめて伺う」と再質問したところ「誤解をまねく言い方だった。資源化がいちばん大事」と釈明があった。

2.1年前倒しの実施の理由

質問:各区の「一般廃棄物処理基本計画」を見ると、サーマルの実施がその時期とともに明記されているのは、江戸川区と葛飾区のみ。計画に盛り込まれていない区が7区もあり温度差がある。収集部門の23区と処理部門の東京23区清掃一部事務組合が区民の理解を得ながら行なっていくことには相当の期間を要するはずだ。昨年9月の助役会では2009年度からとされていた「サーマルリサイクル」の実施が、1ヶ月後の区長会において1年前倒しにしてでも推進しなければならないと判断した、その理由を問う。

答弁:特に理由はないが、早く実施できるならばそうしたほうがいい。できると判断した。

再質問:答弁は経緯についてのみで、決定については答えがないのではないか。これから安全性や中間処理施設確保など、モデル実験が始まるところ。こうした課題が全てクリアになった時点で、区として然るべき決定のプロセスを踏むべき。大きな政策転換なので、区の決定を明確にすべき。

3.清掃事業費の公開

質問:江戸川区が、市民提案の「廃棄物会計」に継続的に取り組んできたことを高く評価する。「廃棄物会計」とは、清掃事業にかかる費用を市民と共有することで、ごみ減量の啓発につなげようというもの。区がこれからマテリアル、ケミカルリサイクルに取り組むにあたり、億単位の予算増が見込まれる状況においては、その会計をいつでも公開できるようにしておくことは大事。今後も、きっちりと資源化を進める模範的自治体として、ごみ処理とリサイクル費用の公開に積極的に取り組んでいただきたいが、いかがか。

答弁:これまでどおり実施する。

4.東京23区清掃一部事務組合と東京ガス合弁「新会社」

質問:23区の分担金で運営され、ごみの共同処理をする東京23区清掃一部事務組合60%、東京ガス40%の合弁で設立される新会社は、工場の管理運営とごみ発電による電力の売却を事業とする計画だ。ごみをあてにした電力事業への取り組みは、これから力点を置くべき資源化にブレーキをかける。入札もせずに特定企業と合弁する点、職員は一部事務組合の退職者を採用するなど、この新会社設立は時代に逆行する数々の問題をはらんでいる。今後ごみが減る状況にあっては、安定した事業を見込めるものではなく、事業が破綻した場合に誰が責任を取るのかも不明確。
23区区長会副会長で、清掃一部事務組合においては執行機関という立場でもある多田区長はこうした問題点をどうとらえ、どのような姿勢で設立の検討に臨んでいるのか、伺う。

答弁:この新会社の案は最近持ちあがったもので、9月の一部事務組合議会で決定する予定。これまでは、工場のプラントのメンテナンスや管理について、メーカー側のいいなりになっていたことは問題で、そこには技術者の確保の課題が関係している。現在、在職している技術職員は222名おり、一人前になるまでに10年はかかる。新会社には、退職するベテラン職員の技量をあてにして、職員の育成をしていくことも目的とする。一組の事業に23区が主体的に入り込むために、経営委員会を作って議論をすすめている。

再質問:事業プランを見ても、どれをとってもお手盛りの感はぬぐえない。市民には理解しがたい手法である。これからの議論の中では透明性や公開性、公平性を考慮すべき。
資源化によりごみが減ったらその次はどうするか。それは環境に大きな負荷をかけ、多額の予算がかけられている清掃工場を順次減らすことだ。大気汚染の緩和で区民の健康増進につながり、CO2の排出抑制で地球温暖化対策になり、工場閉鎖による浮いた予算の有効活用で、自治体を豊かにすることができる。横浜市はすでに7つあった工場のうち、2つを閉鎖。これにより、2工場の建て替え費用1100億円が不要となり、さらに2つの工場を存続させた場合年間30億円かかるところ、資源化費用24億円ですみ、年間6億円が節約できている。横浜の施策は、ごみ減量の成果が市民にわかりやすく、市民もそのメリットを実感できるなど、とてもいい方法だ。
区の計画には「次世代に負の財産を残さない」との強い決意が示されている。この視点はとても重要だ。今後も清掃工場をすべて存続させ発電所として活用するのか、単純に減らしていくのか、どちらが区の決意につながる結果になるのか、改めて考えることが必要だ。