都立養護学校の寄宿舎のゆくえは?

江戸川養護学校を視察

  私が所属している文教委員会に「都立養護学校の寄宿舎統廃合反対に関する陳情」が出され、ずっと継続審議となっています。都教委は、宿泊率の低さを第一の理由に挙げていますが、実際のところはどうなのか、3日、江戸川養護学校を訪ねてみました。
→玄関には松井選手と上原選手から贈られた色紙が大切に飾られています。       

   結論から言えば、定員40名というのは机上の数字であり、現在常時25名程度が在舎している状況は、実質90%以上の稼働率であると感じました。定員の見直しをすればいいのではないか、と単純に思いますが、「さまざまな障がい程度の子どもを受け入れることから、一概に何人と決めることは難しい」と竹谷校長先生。確かに、重度障がいの子どもの多いときと、そうでないときがあることを思えば納得です。在校生167名に対して登録者は47名。短期利用や曜日ごとの利用もあり、通年在舎は8名ほど。

  寄宿舎入舎の条件は、一義的には家が遠いなど通学が困難であることですが、「家庭の事情」「教育上の理由」も認められてきました。「家庭の事情」とは、他にも介護者を抱えているとか、一人親で昼夜なく働かざるをえない、虐待などで親から離す方がいいということなど。「教育上の理由」とは、生活全般にわたって指導・訓練することや共同生活による教育的効果を指します。副次的とはいえ、寄宿舎が果たしてきたこれらの役割を考慮すると、スクールバスによる送迎の充実によって通学困難がほぼ解消されたことをもって、寄宿舎の存在意義がなくなるとすることには疑問です。どうしても健常児より社会経験が乏しくなりがちな子どもたちに、強制ではなく希望によって長期・短期の共同生活体験をさせられることは、やはり有意義ではないかと思うからです。子どもたちのファシリテーターでもある寄宿舎指導員のもと、「子どもたちはさまざまな体験から自信をつけ、生き生きと過ごしている様子に寄宿舎の教育的意義の高さを実感しています」と校長先生もおっしゃっていました。
  寄宿舎のない養護学校もありますが、これまで、こうした障がい児のニーズに、寄宿舎が応えてきたことを考えると、寄宿舎の数を今の半分以下(都内5舎)にする計画ではなく、現状維持し、受け入れを拡大するほうがいいのではないかと感じます。
「特別支援教育」の推進により、障がいがあっても、住んでいる地域で支援を受けながら共に育つ環境づくりをすすめていくとともに、養護学校や障がい児の生活指導において培われた障がい児へのサポートのノウハウを生かしていくことも必要ではないでしょうか。「特別支援教育」は個人のニーズにより対応していこう、という教育であるはずです。

  これから寄宿舎のない学校の子どもも、ある学校の寄宿舎を利用できる方向になるとのことですが、こうした施設が地域に数多くあれば、土日などに在校生でない子どもや、高齢者・障がい者など多様な人を受け入れる、開かれた多機能な施設にしていくことも考えていけばいいのではないかと思います。
  寄宿舎の存在意義を実感した視察となりました。


↓お風呂もトイレも手入れが行き届き清潔そのもの。トイレはいろんなタイプが。