「サポート保育」から、全国初の「幼稚園すくすく」へ!?

区立幼稚園の新しい動きに注目

→全国の原発から出る放射性廃棄物を再処理する工場が建設された青森県六ヶ所村の人々の生活を描き、エネルギー問題を問いかけるドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラプソディー」の江東上映会で、監督の鎌仲ひとみさんと。(11/12)

 区立幼稚園の「サポート保育」が20年度からなくなることが発表されました。「サポート保育」廃止の理由は「保育園の待機児解消のために始まったが、その役割を終えた。4、5歳児については待機児はいなくなったので、就労家庭の子どもは保育園に入れる」というもの。保育園の待機児解消策、開始当初そんな説明ありましたっけ?

 区立幼稚園を選択する家庭はその教育内容に着目して選んでいます。毎日のお弁当、園バスはない、などいまどき不人気の条件をものともせずに。保育園があいているから保育園へどうぞ、と言われてもそれはどうでしょうか? 定員不足に悩む区立園で園児がまた減ることにもつながります。幼稚園を選んでも働くことを可能にした「サポート保育」ではなかったのでしょうか。幼児がいる家庭の就労はこれからますます増えるでしょう。 

 導入時、実は私は「子どもの最善の利益」を第一にしてきた区立幼稚園が、大人(親)の側の利益に目を向け出したことは時代のニーズとは言え、少なからず驚きをもって受け止めました。わが子が通っていた7年前、保護者から「お迎え時間を私立なみに延長して」という要望が出ました。園側はこれに対し、「子どもの成長段階を考えたらこの時間が最大」と答え、親たちも納得したものでした。しかし、13年度から段階的に、15年度から6園すべてで始まった、一時預かりの「ショートサポート保育」のみならず、就労家庭対応の「サポート保育」はまさに子育て支援の充実につながり、松江幼稚園で今年行われた文科省の研究実践発表では、やはり各方面から高い評価が報告されたところです。

 評価されながら、本格実施からわずか3年での方針転換。「サポート」に替わり全国初の「幼稚園すくすく」といった構想も。今のところ、地域の0歳から5歳までが対象で、基本的に親子参加とのこと。地域の親子の拠点となるのはいいけれど、でもそれじゃあ「サポート」に替わるとはいえないし、発達段階が違いすぎて、どうもイメージがつかめない。「幼稚園すくすく」のゆくえに注目です。 

⇒一時預かりの「ショートサポート保育」は継続されます。