「小松川千本桜」を大切に育てるために

バーベキューのルールを決めよう

→春には見事な景色が広がります。今年の「千本桜まつり」は3月25日(日)。

江戸川区が平成4年から10年の歳月をかけ植栽を行い、ソメイヨシノを中心にオオシマザクラやヤマザクラなど、文字通り10種1000本を造成した「小松川千本桜」は、都内でも有数の桜の名所となっています。洪水や地震に強い街を目指し、市街地側を盛土して傾斜が緩やかで、幅の広い堤防を整備する国土交通省の「荒川スーパー堤防整備事業」にともない、区がそのオープンスペースを千本の桜が咲き誇る名所にしようと実施したものです。

 と同時に、この場所は東京都の防災市街地再開発事業により設置された大島小松川公園ともつながっていて、災害時には約7万人の避難広場となりますが、普段はレクリエーションの場として利用されています。千本桜に隣接する自由の広場には、アスレチックとバーベキュー広場があり、1年中大勢の人でにぎわっているのはいいのですが、バーベキューについては規制が必要ではないか、と地域の方から意見をいただきました。

確かにバーベキューに関しては決められたエリアだけでなく、それぞれ自由に楽しんでいるというのが実態で、桜の木の下で火を起こしていることも。これでは桜の生育によくありません。

エコセンターでもご活躍の樹木医・小池さんにお聞きしたところ「桜は根が浅く、樹脂の皮の表面も薄いため、根や幹がヤケドをすることがあり、部分的に枯れることになる。樹温は気温より低いことが絶対的条件。間違っても飲食で残ったお湯や油を流すことは禁物で、火を使う場合は、桜から2mは離れるべき。」とのこと。

1月5日に開かれた地元、小松川・平井地区新年会では、多田区長も井出連合町会会長も区の特長のひとつとして「小松川千本桜」のお話をされていました。「環境を守り、心の豊かさを実感できるまちに」ということは区をあげての目標のひとつです。

4年前の完成式典以降も地域で大切に育てている千本桜。公園や土手の樹木・草花を守るため、桜の木の周辺でのバーベキューはやはり規制するようにしていきましょう。区内の新左近川親水公園では、バーベキュー広場の利用について、今年の3月から、エリアを決めた上で予約制となります。こちらは、違法駐車やごみ投棄など人的被害によるところが大きいようですが。

まもなくセンター試験や都内高校推薦入試、中学入試などが始まります。桜を咲かせるためには、樹木も人も、管理を万全にして臨むことですよね。