どこに視点? 江戸川区の麻疹対策①

分け隔てなく、すべての子どもを対象に

今年の麻疹の流行を受けて、江戸川区では、2歳以上の未就学児についてすでに実施している無料の予防接種を、28日から小中学生にも拡大することにしました。これまで予防接種を受けたことがなく、麻疹に感染したことがない区立小中学校に通う児童生徒が対象で、私立小中学校に通う児童生徒は対象外。これっておかしくないですか?

感染力が極めて強く、免疫のない人が感染した場合はほぼ全員が発病。免疫力が低下するので合併症を伴いやすく、重症化することも。特効薬もない、そんな病気から子どもを守ろうとするときに、区立か私立かで子どもを分けることが必要でしょうか? すべての子どもの命と健康を守る、この視点こそが大切なのでは? さらに、区立生の保護者も私立生の保護者も納税者。その視点に立てば、やはりこの分け方は論外です。なぜ、区はこうしたやり方を打ち出したのか。きちんと質してご報告します。

それにしても、今回のことで、図らずも日本が予防接種の面でとても遅れていることが判明。特に麻疹に関しては、輸出国として名指しされていたとは! 
わが家の子どもたちが乳幼児の頃は、ちょうど副作用が大きく報道された頃で、予防接種に消極的な傾向はあったと感じます。当時、私は専業で子育てをしていましたが「日本で乳幼児の死亡が少ないのは予防接種が行き届いているから」という記事を読み、お知らせが来るとすぐに受けていたので、接種率が低いなんて思ってもみませんでした。しかし、現実はこの1週間、大学生と高校生の息子たちはそろって休講・休校に。この世代がいちばん発病しているなら、小中学生に施策拡大、だけでは治まりませんね。