適切な次世代支援は、前期計画検証と丁ねいな実態調査から

2008年8月24日 11時58分 | カテゴリー: 子ども・教育

後期の「次世代育成支援行動計画」策定に向けて

→複数の自治体の子ども施策に関わっていらっしゃる東洋大学教授・森田明美さんの講演「少子化対策ではなく、子どもの権利の実現をめざして」を聴く。東京ネットにて。(8/22) 

子育て・子育ち支援の重要度がますます大きくなる中で、効果的な支援策を講じるためには、やはり丁寧な実態調査は欠かせません。

  町田市が「子育て家庭の困難化」の調査で、「つらかった時期」を聞いたところ、52.1%を占めたのが「出産後1ヶ月」、次が「妊娠期」40.25%でした。まさにこの時期にあたる出産直後の母への聞き取りでは「赤ちゃんは自然に母乳を吸えるようになる」「赤ちゃんは授乳以外は大体眠っている」と思っている割合が7割を超え、出産直後の赤ちゃんの世話を楽観的にとらえているため、実際は「つらい」と思う人がこれほど多いのだと言えます。

その背景には、覚悟のない妊娠の増加があります。厚生労働省の発表では「第一子出生数のうち結婚期間が妊娠期間より短い出生割合」が、1980年には10代後半が47.4%であったものが、2000年には81.7%に、20代前半でも20.1%から58.3%にまでなっています。日本では、子どもの自己肯定感の低さも深刻です。「自分のことが好きか」という問いに中学生の61.7%、高校生の56.3%は「そう思わない」と答え、「自分は人から必要とされている」については、中70.2%、高64.4%がやはり「そう思わない」と答えています。この深刻な子どもの育ちの課題についても、実は、覚悟のない妊娠が要因になっているとの専門家の指摘があります。

こうしたことから言えることは、乳幼児期の子育て家庭の課題は、子どもの成長に大きく影響することから、積み残していはいけない、ということであり、親と子、双方への視点が必要だということです。多様な子育てを受け止め、とかく親への経済的支援になりがちな子育て施策に、妊娠中からの地域の温かな関わり、そしてやはり「子どもの権利」の視点を盛り込んでいかなければなりません。

「次世代育成支援行動計画」の前期5年が来年度で終了するため、自治体は後期5年の計画策定の準備にとりかかっています。「3歳までは家庭で子育て」という区のこれまでの考えと現実はどうなのか、その実態把握に努めるとともに、前期5年の計画の検証をきっちりと行うことがまずは必要です。