指定管理者制度にモニタリングのしくみを

2009年3月17日 14時36分 | カテゴリー: 指定管理者制度

2009年度予算特別委員会報告⑥

総務費では、指定管理者制度充実のためにモニタリング制度も提案しました。

指定管理者制度は民間活力によるサービスの質の向上とコスト削減の成果を期待してのものです。コスト削減の成果については、すでに大枠で示されており、19年度、22施設の合計で5億円の削減効果を上げています。コスト面の成果がこのように出しやすい一方で、サービスの向上については、はかり方が難しい面があります。この制度では2つの目的が達成されなければ意味がないので、サービス面の検証を今後しっかりやっていくことが課題です。導入前においては「施設の特徴を考えてどのような団体を指定すべきか」「いかに選定するか」ということは丁寧に議論してきたでしょうが、運用面において「いかに評価をしていくのか」という点はいまだ途上です。

現状は、利用者アンケートや事業者自身による評価、また所管課による評価が行われていますが、これに専門家の視点を加えて、総合的なサービス評価につなげるべきです。千代田区では、指定1年目に社会保険労務士による労働環境のモニタリングを実施していますが、効率化の推進が適正な労働環境のもとに行われているかどうかを明確にすることで、事業者や区の社会的責任の評価になっています。さらに、2〜3年目に継続的安定的な運営の確保の視点から、公認会計士が経営・財務モニタリングを行っています。何か問題があれば改善点を指摘して即時改善につなげ、それをチェックし、次の更改のときの審査にもつなげていくことができます。当然これにはコストがかかりますが、区と指定管理者が施設の抱える課題などについて共通認識を持ち、協働して区民サービスの向上を継続していくためには大事なことです。また、区が民間委託の状況や成果を説明するときの確かな材料としても有効です。

かつての管理委託は受託者を公共的団体などに制限することで公共性を確保していました。しかし、指定管理者制度では個人以外ならどんな団体でも受託できることから、公共性を担保するしくみを整えることで初めて公共性を確保することになります。指定管理者制度では、営利性を追求するあまり不適切な管理運営が行われていないかを確認することは重要なポイントです。法に縛られることなく、自治体が受託者を自由に選べるようになったことで、区の裁量を拡大した制度と言えますが、同時に区の責任も一層強くなっていると考えるべきです。民間委託を選んだという区の選択に対する説明責任がきちんと果たされなければなりません。サービスは向上しているか、経営は安定しているか、公平性は守られているか、個人情報管理や危機管理は適切に行われているかなどの説明責任が求められており、そのためにもモニタリングの確立は必要です。

専門家も入った行政評価を行っているので十分だ、という答弁がありましたが、他の行政施策と同列に民間委託事業を見るのは危険です。指定管理者制度に特化したチェック体制としてモニタリングが必要であることを強調しました。

区は、篠崎図書館に続いて、区立図書館に順次指定管理者制度を導入する計画ですが、図書館行政の民間委託は問題も指摘されるところであり、篠崎図書館のモニタリングをしっかりと行った上で、この制度導入が最善であることを示すことが重要です。さまざまな公共サービスがある中で、どのサービスを誰が担うのか、といったベストミックスについての十分な検討が必要です。