どこまですすんだ?選挙開票事務

江戸川区選管ワースト返上へ

 先の都議会議員選挙における江戸川区の投票率は52.4%。4年前より約9%ものアップとなり喜ばしいことですが、東京都全体では54.49%、23区平均も54.4%。江戸川区は23区では下から5番目となっています。

 61ある投票所ごとに見ると、最高が清新一小の62.8%、最低が第四葛西小の43.64%。葛西地区の投票率が全体的に低いことはいつもの傾向と言えますが、清新町では、国政選挙では投票率が一気に上がるのに対し、地方選ではさほどでもなく、国政と地方政治への関心の度合いに大きな開きがあるという特徴がありました。前回の都議選でも区平均より3.6%高い程度でしたが、今回は何と10%以上もアップ。有権者が明らかに国政を意識して投票行動を起こしていることがデータから見て取れます。

 今回の選挙事務から、江戸川区選挙管理委員会が新たに導入したことが二つ。
 ひとつは、自動読み取り機の導入。1台約250万円の機器を10台入れることで、開票作業をする人員を150人削減して270人に。作業は日曜日の夜8時半から12時までを目安に職員が携わることから、1時間3000円の時間外手当をもとに対価が支給されます。(3000円 x 4時間)x 150人分 =180万円の人件費をここで削減することに。開票時間もワーストの汚名を返上し、23時58分には完了。23区では18位の速さとなりました。
 自動読み取り機は、先に候補者の字型をパソコンに登録しておき、光をあてることで氏名を読み取り、候補者ごとの棚(スタッカー)に自動的に振り分け、計数もできるというすぐれもの。では、作業員は何をするかというと、まず票の天地表裏を確認して用紙をそろえ機械に入れる、有効票として振り分けられたものに他の余計な記入はないかを確認して票を改めて計数する、読み取り不能としてはじかれた票の判定などです。予想以上に機械のスピードが速く、人の手による事前の準備が間に合わなかったことから、人員を削減しすぎず、もっと人を入れていれば開票時間はさらに短縮できた、との総括も。2500万円の投資となりましたが、今後も威力を発揮しそう。

 もうひとつは、61の各投票所の受付事務に派遣社員を1名ずつ入れたこと。金曜日夕方からの投票所設営と、当日準備片付けを含めて16時間半の勤務に対して、区が派遣会社に支払っているのは一人につき15938円で計97万2218円。今まで通り職員をあてた場合は、(3000円 x 16時間半)x 61名分 =301万9500円で、差し引き204万7282円となり、上の数字と合わせると、トータルで384万7282円の人件費削減となりました。
 選管では8月の総選挙でも派遣社員を雇うことにしていますが、社会的に問題視されている日雇い派遣を自治体が率先して行なっていることにもなり、小選挙区・比例区・国民審査と、都議選に比べて内容が増す次回の選挙であっても、派遣を増やすことはしない方針。
 現在区には、正規職員に代わって業務を担う非常勤職員や臨時職員が大勢いることから、こうした立場の方々を登用することもひとつの方法では?