虐待防止に公衆衛生の視点を

2010年3月30日 13時17分 | カテゴリー: 子ども・教育

2010年度予算特別委員会報告⑨

区は、予算特別委員会開会中に、今回の児童虐待死亡事件検証報告をまとめ、集中審議にあたり、副区長からその説明がなされました。

今回の検証は、まずは当事者の反省が重要、ということで庁内だけで行なわれましたが、次のステップとして、虐待に詳しい学識者や弁護士なども含めた点検も必要だと考えます。

今後の対応としては、関係者の意識改革に取り組むことが強調されました。
意識改革は当然なされなければなりませんが、それと同時に具体の体制の強化が必要であり、学校と家庭を結ぶ役割を果たすスクールソーシャルワーカーなどを子ども家庭支援センターに配置し、学校の要請に応えて派遣する、という仕組みの構築を求めました。

また、今回の事件を知った子どもたちへの対応も重要です。同じ学校の子どもたちの中には、児童の状況をある程度知っていた子、助けてあげられなかったと思い悩んでいる子もいるかもしれません。また、児童と同じようなつらい目にあっている子どもたちは、親の暴力による死について恐怖を抱いているかもしれません。同小の在校生に限らず、各学校で子ども達に対して丁寧な対応をするよう要望しました。

このケースでは、母親は15歳で出産するという超若年出産でした。予期せぬ妊娠、覚悟のない出産を回避するための取り組みも必要です。未然防止の観点から、特に中学校での性教育を強化する、また、乳幼児健診時や産婦人科や小児科病院の待ち時間に、予防啓発ビデオを流す、さらにそうした機会に虐待予防ガイドを配るなど、できることから着手すべきです。

日本では、7日にひとりの割合で、子どもが虐待で亡くなっていますが、虐待防止に関わるNPOからは3日にひとりという報告もあります。3日、あるいは7日にひとりの割合で子どもが亡くなるというデータが、もし疫病や感染症によるものであれば、非常事態と判断され、国も自治体もあらゆる手段を講じて予防と被害者対策に取り組むはずです。しかし、原因が虐待となると、そうはなっていないのが現実です。虐待も、健康上の深刻な被害によって子どもが亡くなるということであり、子どもを取り巻く公衆への予防教育の徹底によって発生件数を減らすことができます。虐待防止については公衆衛生の視点を持つことも重要だと述べました。