分権と市民参加はこうありたい

2010年7月4日 22時43分 | カテゴリー: まちづくり, 議会改革

区議会「有志勉強会」より

 江戸川区議会では、会派を超えて「有志勉強会」(事務局・木村長人議員)を実施しています。定例会の合間をぬって、各会派が持ち回りでテーマを決め、講師依頼などセッティングするのですが、残念ながら公明党さんはこの勉強会に入っておらず、自民党さんも登録は若干名あるものの、余り参加がありません。会派ごとの日常活動に加え、議会総体としての取り組みを強め、執行機関にしっかり対峙できる議会にしたいものです。

 さて先月は、民主党さん担当。前我孫子市長・福嶋浩彦さんをお招きし、3期12年務めた市長時代にさまざまな改革を断行した実績から「地方分権と新しい公共」についてお話いただきました。福嶋さんは行政刷新会議が行なった事業仕分けの仕分け人としても活躍されています。

 まず「分権とは、主権者である市民が、国と自治体に権限を分けて与えること」とし、新政権の言う『地域主権』について、「地域の捉え方があいまい」としながらも、「これまでの『地方分権』は国が上から地方を見下ろしている、ということもあり、国を主語とせず、市民を主語として地域から出発する、という考えはいい」と。
 その上で「自治体の覚悟が問われている」とし、2000年の地方分権一括法によって、自治事務の法解釈権は自治体に委ねられたことを強調。「自治体職員は、国に、こういう解釈でいいのか、と聞きたがるが、聞くまでもなく、国と違う解釈で実行していいのであり、それを認めるよう国に働きかけることだ。法解釈は自治体の腕の見せ所。」と話されました。国から通知のあった「行財政改革プラン作成」も我孫子市や鳥取県は実施しなかったといいます。

 また、長と議会、市民の直接参加による自治体運営については「市民の中、地域の中にこそ重要な情報があるのであり、43人の議員それぞれが市民の意見をよく聴取していれば、独任制の首長より、ずっと多くの市民の意見を反映させられる強みがある」とし、「長と議会は、市民参加を踏まえた力を対抗させ合う緊張関係に立つべき」と話されました。では、福嶋さんは市長としてどのように市民参加を実現したかというと「テーマごとに、自ら当該市民の元へ赴き、時にはけんか腰で議論し、市民の合意を作り出すためにリーダーシップを発揮した。」「首長は市民の意見を聴くことが義務」とも。私たちは、スーパー堤防問題で、反対住民と区長の直接対話を求めてきましたが「それは不毛」と一蹴した江戸川区長にぜひ聞かせたい言葉です。

「公共は市民の公共であって、官の公共など存在しない」「従来は、市民の意思と乖離した官が一方的に公共を支配し、自らの都合で民に下請けに出してきたが、その量を増やしても新しい公共にはならない。」コミュニティを強化し、市場、政府を変えること、政府と非政府、営利と非営利、公式と非公式の三者の関係性を変えることの重要性を話されました。

 福嶋さんが実現した、市民が長や議会の意志を是正するための「常設型住民投票制度」や、「提案型公共サービス民営化制度」も大変興味深いもの。民営化では「民間との対話を通して、コストより質で民間へ」「行政が出したいものではなく、民間がやりたいものを民間へ」ということも、江戸川区に照らして改めて考えるべきテーマです。

*私たちの会派は、昨年の第一回目を担当。自治体が作っている「都市計画図」にぎっしり詰まった都市計画情報をきちんと読み解くための学習会を、(財)東京自治研究センターの研究員・伊藤久雄さんにお越しいただき、実施しました。