地域力・市民力でつくる「トランジションタウン」

2010年8月4日 07時27分 | カテゴリー: 環境

低炭素地域づくりをすすめる山梨県都留市②

→6年前、東京から移住された加藤さんがアイガモ農法でお米づくりをされている田んぼ。右下がアイガモの小屋。

 都留市ツアーでは、市役所隣りに建てられたエコハウスと植物工場も見学。トランジションタウン推進になくてはならない存在となっているNPO法人「都留環境フォーラム」の方々とも意見交換。その活動についても視察させていただきました。
 
 木の香りが心地いいエコハウスは木造2階建て。延べ床面積191.48㎡に12の省エネ対策が取り入れられています。

 電力は小水力発電「元気くん」1号機・2号機からと、1.1kwの太陽光発電設備で供給。空気集熱式のパッシブ・ソーラーであるOMソーラーも設置し、屋根で集めた太陽熱を床暖房に活用、建物全体を温めています。ダイレクトゲインといって、リビングとダイニングには蓄熱床を設け、日差しによって温められた床が放熱することで夜まで室内は温かいままです。他にもCO2削減に効果大の薪ストーブ、ウッドマイレージを極小化するための県産木材や地域建産材の利用、ワイン樽を活用した雨水貯水タンク、壁面緑化、自然採光や自然通風など。こうしたエコハウスは環境省の補助事業として全国20箇所で建設されています。

 緑のカーテンは一見してうまく育っていないようで、経験豊富な視察メンバーからは「延びすぎているツルはつまんだほうがいい」「水遣りは涼しい時に、たっぷりと」とアドバイスが飛んでいました。

 隣接する植物工場では、水耕栽培と人工灯による高級野菜の栽培が。その中のアイスプラントを試食させていただきましたが、そのまま食べても塩味がするフシギ。地中のミネラルを吸い上げる力があるそうで、プチプチとした食感も初めての感触。人気の秘密が伺えます。

 こうしたトランジションタウンの取り組みをともにすすめるのが、地元住民だけでなく、都会から移住してきた方々。イギリス発のこの動きが広がりを見せ、今、日本にもトランジション協議会がつくられています。全国で10以上の地域にグループが生まれていますが、都留市でそのNPO代表を務めるのが、環境問題の解決策は農業にあり、と考え、6年前に東京から移住したという加藤大吾さん。

 住まいを自分の手で建て、環境活動はもちろんのこと、消防団に入る、地元大学との連携を図るなどの地域貢献によって着実に地元の信頼を得てきました。その結果、休耕田を借りることができ、アイガモ農法で米づくりに取り組んでもいます。

 加藤さんのこうした活動は、環境政策を強力にすすめたい市にとっても願ったりかなったり。前述のエコハウス建設に向けてもその力を存分に発揮しました。「地域に根ざすことは、役に立つこと」と言う加藤さんらのネットワーク、フットワークには大きな期待が寄せられています。

↓エコハウスの薪ストーブ。右はアイスプラント栽培。