議会による政策評価と予算づくりをどうする?

2010年9月28日 00時08分 | カテゴリー: 議会改革

「市民と議員の条例づくり交流会議2010」報告②

→第二分科会では、総合計画の見本市も。各自治体の総合計画を見比べる堀場りさ子さん。

先月末行なわれた「市民と議員の条例づくり交流会議」2日目は第二分科会に参加しました。午前の部では、基本構想・総合計画の議決が削除される流れの中で、総合計画を今後どう位置付けるかを議論。午後の部では「議会による政策評価と予算づくり」をテーマに進行しました。決算改革の可能性と政策討議の予算への反映、また、議会は予算にどこまでかかわることができるのか。公益財団法人地方自治総合研究所研究員・菅原敏夫さんから現状、また課題の提起があり、その後、3つの自治体議会の議員から実践報告がありました。

まず、熊本県合志市議会の来海恵子議員から、議会による行政評価の取り組みについて。
同市では2006年、総合計画と連動した行政評価システム構築事業を開始しました。市民がまちづくりに参加しやすくなるにはどうしたらいいか。それにはまず、わかりやすく透明性の高い行政運営を実現すること、そのためにはPDCAサイクルを確立し、情報公開をすすめる。第二に市民起点の行政体質の改革をすることで、職員の意識や行動を変え、市民の信頼度を高める。第三に、重点施策の成果水準を高めると同時に成果目標を明確にすることで、将来につけを残さない事業を選択する。第四に、合併前のまちごとに異なっていた行政手法を統一し、サービスの低下を招くことがないよう、評価システムを職員間の共通言語として活用し共有化する。こうした目的意識を明確に持ち、決算認定時に行政評価を活用、評価シートをもとに、所管の委員会ごとに施策評価・事務事業評価を実施しています。6段階あるプロセスの中には、執行部が入らない議員間討議も。市は、この議会評価と市民や有識者による総合政策審議会での評価を踏まえ、予算編成作業に入ります。

福岡県田川市議会・佐々木充議員からは、予算の増額修正に取り組んだ事例の報告がありました。
同市議会では少人数学級実施の声が高まるも、予算未計上となったことで増額修正案を提出、可決成立させました。市長は「無謀なやり方」と不満を露わにしたものの、全会一致のため再議権も行使できず。一方、教育委員会は所管委員会にて謝意を表したといいます。地方自治法の予算増額の条項があいまいな表記であることを突いたものでしたが、増額修正を可能にするためには、財源確保、長期的な対策、そして行動あるのみ、と同議員からアドバイスがなされました。

最後は、昨今注目の集まる愛知県名古屋市議会の東郷哲也議員から、河村市政誕生以来の市議会の奮闘について。
今年2月には、政令市で3番目となる「議会基本条例」を制定。市民参加、情報公開はもちろんのこと、議員提案条例がいくつも出されるなど、活性化が図られています。議員報酬半減、特別職の市長秘書設置などの市長提案を相次いで否決、市民税減税条例では38年ぶりに再議も行われ、さらには市議会解散のリコール運動の展開など、対決色は強まる一方ですが、「河村さんのおかげで、非常に閉鎖的だった市議会が重い腰を上げたのも事実。政務調査費を公開したら、アンタら後悔するぞ、と言っていた先輩議員たちも変わった。議会制民主主義を守っていく。あくまでも政策ベース、二元代表制の趣旨を踏まえて取り組んでいく」と強い決意が述べられました。

会場からは「行政評価に見合った予算編成になっているか」「評価の費用対効果はどうか」「少数意見の留保の使い方」など、活発な質疑がなされました。

 広範な権限を持つ首長に対峙するためには、やはり議会がひとつのチームとして向き合うことが重要なのは言うまでもありませんが、いまだにあらゆる場面で会派主義がはびこる江戸川区議会では、その実現性はきわめて低いというのが現状です・・。