各発議案への態度表明の理由

第一回定例会が閉会しました

  冒頭では、東北地方太平洋沖地震で犠牲になられた方々の御冥福を祈り、1分間の黙とうをささげました。

  その後、新年度の一般会計予算及び国民健康保険をはじめとする3つの特別会計予算、また、今年度最後の補正予算並びに区長提案の各議案をすべて可決しました。

  態度が大きく分かれたのは、議員発議案です。
  各会派が出す発議案については、議会運営委員会の理事会にて審査されますが、今回は自民党と公明党からの発議がそれぞれ2本上程され、可決。この中で、明確に反対したのは自民党発議の「民主党マニフェストの撤回を求める」というもの。
  
  発議案は、国や東京都などに区議会の総意として意見を上げるもの。それが「民主党のマニフェスト」をターゲットに、下野した自民党が撤回せよ、というのは、政党対政党のいがみあいという外形であり、発議案としての体をなしていません。結果は、賛成:自民16・公明13、反対:ネット・無所属3、共産5、民主3、一人1、みんな1、でした。

  また、やはり自民党発議の「尖閣諸島」に関する発議ですが、前回の本会議で、共産党発議により「北朝鮮による韓国・大延坪島への砲撃に抗議する決議」をしたばかりであり、同様の内容を再度上程する必要はないと考えます。公明党発議の「若者の雇用」に関する発議もこの1年間で3度目であり、同様の考えです。本来は、議会運営委員全員が発議者になるのが望ましいところですが、この2つについて、私は発議者とはなりませんでした。しかし、上程された以上、反対する内容とはなりえず、賛成しました。

  実は、もう一本、自民党からの「地方議員年金廃止法案の早期成立を求める」発議案も上程されることに内定していました。私は審査の段階から、国の予算関連法案が26ある中でも、この法案については、与野党の見解は一致しており、6月廃止の方向で調整されていることから、あえて上程の必要なし、と主張しました。実際、江戸川区も、法案成立を待たず、総務省の通知通り、新年度は従来の5倍の予算を付けています。とはいえ、自公の意向が結果を左右する区議会にあっては上程されることに。

  しかし、その後の未曾有の大震災です。最終日直前の理事会において、このような中、議員とその経験者だけの既得権を守るような法案だけを早期成立させよ、という趣旨は不適切であると再度主張、自民以外の会派の賛同を得て上程を阻止しました。

 江戸川区議会では、発議案の審査を秘密会の理事会で行っており、議事録の公開すらありません。そのため、審査はおよそ不十分で、内容そのものより、党利党略が優先しているのが実態です。他の議会では、各常任委員会に付託され、詳細な審査が行われているところも多く、今後の議会改革の大きな課題です。

  今期の任期は5月1日まで。私の議会活動はまだ続きますが、本会議については本日をもって2期8年の任務を終えました。議員になったことで、得難い経験をいくつもさせていただいたこと、支えてくださったみなさん、また関係者の方々に感謝申し上げます。