有害ごみと不燃ごみ

2011年4月14日 11時31分 | カテゴリー: 環境

2011年度予算特別委員会報告⑫

 昨年4つの清掃工場で水銀の混入による稼動停止が相次ぎ、清掃一組、また23区はそれぞれに対応を強化してきたが、2月22日、今度は目黒工場で同様の事故が起き、1炉停止しました。水銀対策をさらに講じていく必要があります。

 現在、家庭から出される水銀を含む廃棄物についての23区の対応は、蛍光管については6区、乾電池については16区が分別の対象としている。きちんと分別すること自体は評価しますが、特に有害ごみのように自治体に処理能力のないものまでその後始末を公共サービスとして税で引き受けることは、事業者責任を問わないことになる点において問題があります。頻発してしまっている事故を今後繰り返さないためにも事業者による回収・処理の道筋をつくることをここできちんと考えていくべきです。

  江戸川区では、水銀を含む「有害ごみ」も単に「不燃ごみ」として回収しており、住民にとっては、「有害」であっても、その意識をさほど持たず廃棄する環境をつくってしまっています。これを分別している区も「資源ごみ」というくくりであり、やはり「有害ごみ」という位置づけにありません。「危険物」としている区も1区ありますが、主に「危険物」として扱われているのは、水銀ではなく、車両火災につながるカセットボンベやスプレー缶などです。これが23区の現状であり、「有害ごみ」と位置付け分別する26市との大きな違いです。この背景には、23区の焼却炉は高性能であるとの慢心があったのでは?

  水銀事故があとを絶たない中では、単に「不燃ごみ」とするのではなく、「有害ごみ」としての位置づけを明確にして、分別意識を高めるべきです。さらには、「廃棄物の処理及び清掃に関する条例」に明記されている適正処理困難物の指定をすることで、事業者に回収と適正処理を義務付け、水銀を含む有害ごみ対策としていくことも重要です。

 都は2月、水銀を扱う事業者に対して改めて通知を出しましたが、これは、昨年9月の都議会で、生活者ネットが、製造事業者による回収・再資源化のしくみづくりの促進について、広域自治体としても責務を果たすよう求めたことに応えたものです。

  現状、清掃工場の安定稼働を阻害する要因は水銀と判明しています。23区清掃一部事務組合は、医療系の持ち込みごみではないかと推測し調査しましたが、原因究明には至らず、持ち込みごみ検査を一層強化することとしていますが、一般の家庭ごみに起因することも排除できていません。サーマルリサイクル実施に伴う分別変更によって、多くの不燃ごみが可燃となったことが、分別意識を低下させたこともまた事実です。水銀は絶対に焼却してはいけないものであり、一連の事態を受けて、区が積極的に動くことで、事業者回収の促進や、環境と安全に配慮した製品開発につながっていきます。廃棄の時点での安全かつ効率的な管理システムをつくることが重要であり、適正処理困難物の指定については、23区として、また近隣の区と協力するなどしてぜひ考えていくべきです。

 国連は2013年をめどに、水銀規制条約を締結しようとしています。今、水銀問題は、世界的に問いただされています。水銀の輸出停止や管理強化が求められている今、23区においても取り組みをさらにすすめるべきです。