大槌川をサケの遡上する美しい川に

大槌町でのボランティア活動①

 ふるさと清掃運動会実行委員会が主催する被災地復興支援第二弾、岩手県大槌町での「甦らそう!大槌川」のボランティア活動に参加しました。出発は8日、夜行バスで。

 このたびの震災で川にたまった汚泥や瓦礫、ごみを取り除き、サケの遡上する美しい大槌川に甦らせようという取り組み。大槌川の復興は、大震災を乗り越えて未来へすすもうとする町民の熱い願いです。

 大槌町では、瓦礫の撤去作業は比較的すすんでいるよう見受けられました。予想していた腐臭などもありませんでした。ところどころに残ったビルの惨状を見ると、2階までは被害が大きく、3階以上は少なかったようです。本当にここにまちがあったのか、と思うほどの光景を目の当たりにしながら、地元中学校の校庭につくられたボランティアセンターへ。活動は、このセンターの指示のもと、大槌川の支流での清掃活動になりました。私が参加したチームは70名ほど。同日は、他にも外国人のグループ、早稲田大学のグループなどが参加。それぞれエリアを決めて、まさに人海戦術で泥と格闘しました。
 
 センターの方から、まずは熱中症にならないための諸注意が。昼食までに最低500mℓの水分を取ること、一斉休憩とは関係なく、疲れたら即休憩をとること、単独行動はしないこと、など。女性は日焼け対策もあり帽子をかぶるが、男性はかぶらない人が多いとか。「水分と帽子は持っているだけじゃダメ!」とダメ出しがありました。

 普段スコップなど使ったこともない身には、その扱いにまず四苦八苦。でも、コツを教わると、なんとか形になっていきました。あの日から4ヵ月、新しい生態系も生まれているので「生物保護もアタマに入れて」という注意もあり、やみくもに泥かきをするということではなく、なかなか難しい作業です。それにしても土嚢の重いこと・・。
 
 軍手の上にゴム手袋、ズボンの上にカバーパンツ、長靴の底にはステンレスの入った踏み板、帽子に防塵マスクといった慣れない重装備は、これだけでも消耗します。出発直前、ボランティアは1日2ℓの水を持参すべし、との新聞記事を見ましたが、決して大げさではないと実感。

 この運動の代表、王貞治さんは「環境は心。経済は心だけではだめだが、環境はその人がその思いを心に持つかどうか。 経済が悪い時でもできる」と語り、奥島孝康さんは「知識より感動!感動より行動!」と呼びかけています。

 その思いをいっぱい持った方々の集合体は、少しでも役に立とうというパワーにあふれ、炎天下、ミッションを果たしました。多くの個人、団体がネットワークしつつ、こうした取り組みを続けていかなければなりません。

 この猛暑の中で毎日を過ごす避難所でのさらなる暑さ対策、こちらも重要。