温存されてなお非効率で持続不可能なスーパー堤防

2011年12月26日 00時29分 | カテゴリー: スーパー堤防

北小岩1丁目東部は予算化見送られるも、中止・凍結事業が次々復活 

24日、平成24年度の国家予算案が公表されました。国土交通省公共事業関連予算は、復興予算を除けば4兆5734億円で前年度比8.1%減。選択と集中により全体の規模縮減に。と言いながら、復旧・復興とは無縁の、無駄な公共事業として中止の判断をされていた八ツ場ダムをはじめ、自民党政権下でも凍結されていた東京外郭環状道路、そしてスーパー堤防も縮小して継続に。従前から重用されている御用学者のもとで、検討された結果の顛末。政権交代で変わるはずだった公共事業のあり方はどこへ?

公共事業関係の復興予算は、今回から特別会計に計上。7288億円となっています。

国土交通省水管理・国土保全局関係予算決定概要によると、ここでの予算規模は6703億円。治水事業関係費が6116億円を占めています。

気になるスーパー堤防事業について、明記されている来年度の具体的事項は2点。①予算成立後の実施計画策定時に確定する②新規箇所には着手しないこととする。これは、北小岩1丁目東部地区でのスーパー堤防事業が来年度予算化されないことを示すものです。

予防的な治水対策費には1477億円を計上。災害危険度の高い地域における効果的な災害予防対策を重点的に実施する、とあります。北小岩が災害危険度の高い地域でないことは、これまで何度もご報告してきました。予算措置されなかったことは全うな判断がなされたと思いますが、事業は継続される以上、再来年度以降は不透明です。

しかし、国交省の来年度予算のポイント「持続可能で活力ある国土・地域づくり」に照らせば、新規のスーパー堤防事業は25年度以降も認められてはならないものです。なぜなら、本事業は、持続可能ではないからこそ、事業仕分けで廃止と判断され、これを受けて持たれた国の検討会において、1〜2割に縮小されてしまっているのです。全川つながってこそのスーパー堤防でありながら、1〜2割では、もはやスーパー堤防の体をなさない別物です。

本来873kmで実施されるはずが、今後は120kmにおいて、首都圏では、荒川・江戸川・多摩川の最下流域で実施されることが示されています。しかし、これも、持続不可能、かつ効果の期待できない選択では? 最下流域は、住宅密集地が連続しています。北小岩1丁目東部の延長わずか100mでさえ、合意形成が整わず、事態は行政訴訟にまで発展しているのです。住人のいないところで実施してさえ、過去20年で5.8%の進捗率にとどまっています。この先、多くの人に長年にわたって2度の移転を迫る本事業がうまくすすむとは考えられません。制度そのものに欠陥を抱えた事業と言えます。加えて、本事業は、上流の、それこそ災害危険度の高いところから実施することで被害を最小限にとどめることができるというものでしょう。

本来、廃止されるべき事業が、ごく一部の抵抗勢力の力学によって温存されていること自体、やはり間違いなのです。