2012年、大事なことは市民が決める

福島の復興

2012年、新しい年が明けました。
被災地の復興計画が次々と策定される中、放射能汚染という深刻な状況からの復興に立ち向かう福島県でも、昨年末、ようやく「福島県復興計画(第一次)」を決定しました。「原子力に依存しない社会づくり」を基本理念に、県内の原発全10基の廃炉を国や東京電力に求めることが盛り込まれています。

福島県は東北地方であり、東北電力のエリアであるはずが、福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所、そして新潟県の柏崎刈羽原子力発電所は東京電力管内です。首都圏民のための電力が、福島や新潟など、東北地方から供給されていることを昨年の原発事故によって再認識した方も多かったのではないでしょうか。福島県内10基は現在すべて停止中。柏崎刈羽原発も動いているのは7基中わずか2基です。

昨年12月から、原発の是非を問う「都民投票」の実現を求めて、直接請求運動が繰り広げられています。市民発のこの運動には、都内有権者の50分の1、22万人の有権者の署名を集めることが前提条件です。「原発反対だから署名する」「原発賛成だから署名しない」という方々がいますが、今求めている都民投票は、今後の東京電力管内の原発の稼働について、賛成か反対かを都民が投票行動で意思表示するもの。その重要な機会として、どちらの立場でも等しく参加すべきものです。もちろん、大事なことへの意思表示ですから、十分な知識を得て、ひとりひとりが判断することも前提条件です。

これまで、こうした決定は、国・電力会社・原発立地自治体といった供給サイドでなされてきました。しかし、電力についての一方の当事者である東京都民もそこに関与していくことが望まれます。東京都は東京電力の株主でもあります。都民ひとりひとりが意思表示することで、今後を決定するプロセスに参画していく、という東京で初めての住民投票を実現するにふさわしいテーマではないでしょうか。

10万人以上の福島県民が住み慣れたふるさと以外の地で新年を迎えています。そして、この状況は今後も続いていくことでしょう。

福島の復興がかなってこその、震災からの日本の復興です。福島県にある東京電力管内の原発が生み出す電力の最大の消費地・東京都に住む私たち都民は、福島県復興計画の強力な推進に寄与していきたいものです。