軸足はどこに? 江戸川区の放射線対策

2012年4月30日 00時54分 | カテゴリー: 子ども・教育, 環境, 防災

強調される「通常」は逆に不安をあおる?

「放射性物質汚染対処特措法」制定に基づく「除染等の措置に係るガイドライン」などが昨年12月、環境省から出されたことに伴い、江戸川区教育委員会は今年2月「屋外の清掃活動について」の書面を各学校に通知。側溝清掃の注意点について共有している旨、すでにこのサイトでもお伝えしました。保育園については、口頭通知。

こうした通知をしながらも、江戸川区はあくまでも、側溝清掃は通常清掃の一環であると。そして、そう言いながらも、保育園では、側溝汚泥はこれまでのように園庭に戻さず、産廃業者に引き渡しています。(学校では以前から産廃業者に引き渡し。量が多いため、と区教委)。26園分、80万円。その際、区としての測定はせず、数値の把握はしていません。

特に側溝土について、高い数値も見られる足立区(4/12弘道小1.94μ㏜/h,3/19東綾瀬中2.19μ㏜/h)では、ガイドラインに則り、施設内に埋め戻しているのに(葛飾区も同様)、江戸川区が主張する「通常の清掃活動から出た通常の汚泥」は、お金をかけてわざわざ業者に引き渡されています。それって何かあるんじゃないの? とかえって不安をあおる結果になりはしないでしょうか? 「通常」の側溝清掃をした26園の園名を伏せるのも理解に苦しみます。

汚染が懸念されるから、不安解消のため業者に引き渡すという判断だとしたら、その前に、やはり区として継続した測定を、特に高い数値が疑われる箇所についてはきちんと行い、結果を公表すべきです。その上で、適切な対応をとり、その後線量が下がれば、自ずと安心につながるというもの。

足立葛飾江東など、継続した放射線量測定・公表をする近隣区は、江戸川区同様、妊婦や乳幼児を含むすべての人が通常の生活を続けても、健康上心配するレベルではないとしながらも、区民の不安の声に応えるべく区独自の放射線対策に取り組んでいます。葛飾は学校なら一施設30か所前後の測定や給食牛乳の測定、江東では牛乳、ヨーグルトなど濃縮が懸念される食品、足立では局所的に高いと思われる箇所の測定など、各区、基本的な測定に加え実施しています。世界でも例を見ない、将来にわたる低線量被曝の経験。自治体としても独自の測定を続け、その結果を区民と共有すること、そして、さまざまなデータを維持管理することが後世に活きるのでは?

江戸川区は、消費者庁から貸与された測定機器を使用し、区内で流通している食品の放射性物質検査を実施、結果の公表を始めていますが、給食食材はあえて対象にしていません。給食の実施者として、感受性の高い子どもたちへの対策を強化することは当然の責務。江戸川ネットが昨年の6月議会で、給食食材の抜き取り検査を求めた時は「市場に流通している食材は安全。実施しない」との答弁でした。しかし今や立派な機器があるのです。なぜ頑なにしないのか。牛乳や乳児用食品もスクリーニング対象外なので除く、とも。そこが知りたい、と思っている人は多いでしょうに。高度な測定機器入手は一体何のため? 流通品は安全、としながらも、区民の食の安全を守るために借り受けた以上は、最大限有効に使いましょう。上部官庁からの貸与は、実質上の譲与。区民が持ち込む食材も対象にするなど、十二分に活用していくべきです。

先の清掃活動について、学校は書面で、保育園は口頭で、と通知の仕方がまちまちなのも何ゆえ? 教育委員会と区長部局だから? しかし、学校も保育園も設置者は江戸川区。危機管理室が情報を一元管理し、同様に発信すべきでは?

側溝汚泥といい、食品といい、江戸川区の言っていること、実際していること、腑に落ちません。

江戸川区が引き渡す側溝汚泥について、業者に最終処分場を確認したところ、福島や宮城に運ばれていることがわかりました。以前は西日本でも処分されていましたが、今では引き取ってもらえないとのこと。安全を強調する行政に対し、民間レベルはシビアな状況となっています。