スーパー堤防取消訴訟、議会と異なる区の姿勢変わらず

2012年7月23日 09時14分 | カテゴリー: スーパー堤防, スーパー堤防裁判

第4回口頭弁論傍聴①

口頭弁論のあとの報告集会。弁護士会館にて。
口頭弁論のあとの報告集会。弁護士会館にて。
 スーパー堤防取消訴訟で、被告・江戸川区が議会答弁や住民説明と真逆の内容を主張していることはすでにお伝えしている通りです。

 北小岩1丁目東部区画整理事業の都市計画決定は、スーパー堤防計画に基づいたものであることは明らかですが、被告はあくまでもスーパー堤防事業は関係ないとして、この件については認否すらせず、土地区画整理だけのこととして裁判をすすめようとしています。事実として一体的に行うことをめざしてきたものの、法的には一体ではなく、無関係である、としているのです。

 原告はまず、都市計画決定の違法性を主張しています。その理由は、この違法性の検討にあたる際の最高裁判所による次の見解です。
・その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠く
・事実に対する評価が明らかに合理性を欠く
・判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等により、その内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる 
  以上の場合には、「行政の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとすべきものと解するのが妥当」としているのです。

  これまで、江戸川区は、次のように説明を繰り返してきました。
・この土地区画整理事業は、スーパー堤防との共同実施である
・この手法によって堤防強化することで、区全体の防災機能が向上し、スーパー堤防の便益が得られる
・共同実施により、区の費用負担軽減が図られる
 
 これらはすべて本件都市計画決定に至る過程において考慮され、本件都市計画決定の基礎となった事情です。さらに、これらは、都市計画決定が満たすべき要件又は考慮されるべき要素である必要性及び有効性、効率性に関する事情に他ならず、本件の適用性を判断する上で重要な争点となるところです。

  スーパー堤防以外のことについての事実誤認もすでに明らかになっています。
・液状化のおそれがあることを必要性の重要な要素としていたが、国交省のボーリング調査により、その必要はない、とされた
・緊急車両が入れないことをやはり重要な要素としていたが、本地区内どこで火災が発生しても現状のままで消防活動、救急活動に支障がないことが所轄の消防署によって確認された

 また、都市計画法は、都市計画決定が満たすべき要件として、
・当該計画が事業の目的を達成するために有効であるか否か(有効性)
・同一の効果を得るためにより少ない費用で実施されているか否か(効率性)
この2点を考慮しなければならない、としています。

  他の代替案との比較検討が必要ということであり、このことは議会でも何度となく指摘があったところですが、ついになされることはありませんでした。審査における重要な要素として、代替案の提示・説明を義務化している議会もあります。

 「国費と河川費の補助金、区画整理の補助金、都市計画道路の補助金、これ全部合わせると区費はゼロ円ですべてのまちづくりができるということ」。

 区の考えは、区の一般財源を使わず、大がかりなまちづくりをやってしまおうという、2009年7月16日の土木部長のこの議会答弁に凝縮されています。そこには、上記の手続きや、住民負担などは重要な要素となりえていなかったと言えるでしょう。