江戸川区、「みどりの基本計画案」に「スーパー堤防事業」②

2013年4月5日 00時07分 | カテゴリー: スーパー堤防, まちづくり, 環境

 先にお伝えした通り、「江戸川区みどりの基本計画案」の「スーパー堤防事業と合わせた防災拠点整備」の項に、「江戸川4丁目防災公園計画」が具体に示されました。しかし、当地にスーパー堤防事業が必要でしょうか。以下の理由で、削除すべきと考えます。

1.   平成11年、都市計画法に則り、区が策定した「都市マスタープラン」において、「東部地域」の項に含まれる当該地に、スーパー堤防化は示されていません。同項では、P153において、江戸川水閘門下流付近が「高規格堤防構想」として図示されているのみです。都市緑地法第4条3において、「緑の基本計画」は、都市計画法第18条2第1項「市町村の都市計画に関する基本的な方針」に適合することと定められています。つまり、「都市マスタープラン」に適合しなければなりません。(他にも、環境基本計画や景観計画などとの調和も必要) こうした不整合があるまま、「緑の基本計画」を策定しては、もはや計画行政とは言えません。

2.  東京湾で高潮が発生した場合、旧江戸川と新中川の合流点である地形上、江戸川4丁目は大きな被害を受けるポイントとなることが予想されます。東日本大震災では、高潮防潮堤機能を持ち、広域避難場所となっている葛西臨海公園には近づかないように、との防災無線が流れました。当該地を避難のための高台にしても、同様のことになるのではないでしょうか。また、たとえ、一時的に避難所となりえても、局所的なスーパー堤防建設であれば、孤立した島と化し、安全な高台になりえないのではないでしょうか。洪水や高潮を懸念しつつ、水の近くに逃げることは、果たして安全な避難と言えるでしょうか。避難のための高台をつくるのであれば、内陸の少しでも高い場所を、さらに高くすることが必要です。

3. 東京都土木技術支援・人材育成センターが先ごろ発表した「東京の液状化予測図平成24年度改訂版」によれば、江戸川区は「液状化の可能性が高い地域」と「液状化の可能性がある地域」にほぼ二分されます。当該地は「可能性がある地域」とされ、その北側は広い範囲で「可能性の高い地域」となっています。こうしたところに高台をつくることが安全と言えるでしょうか。避難については、現在ある高い建物へ誘導するような環境を、まず整えるべきではないでしょうか。

4. 何度もお伝えしていることですが、スーパー堤防事業は、国の「高規格堤防の見直しに関する検討会」を経て、従前の873kmにわたる6河川全川整備から、わずか120km程度に縮小されました。建設にかかる莫大な費用、施行期間の長さ、住民の過大な負担、コミュニティの崩壊など、会計検査院や国交省が調査委託した専門の調査機関の報告からも、さまざまな問題点が明らかになり、事業そのものの欠陥が問われています。国の「利根川江戸川有識者会議」でも複数の委員より、改めてこうした問題点が指摘され、「利根川江戸川河川整備計画原案」から本事業の削除が求められています。江戸川区においても、この状況を真摯に受け止め、「スーパー堤防事業と合わせた防災拠点整備」については見直すべきです。

 被災地では、かさ上げに必要な土の確保が困難だといいます。宮城県では7千万㎥(東京ドーム56杯分)を要するところ3千万㎥不足。福島県でも1千万㎥以上の不足が懸念されているとのこと。

 また、全国各地において、さまざまなインフラの老朽化対策に巨費が求められ、こうした必要なメンテナンス費用さえ持続可能とは言えない状況下、スーパー堤防のような無駄の極致とも言える欠陥だらけの事業が、江戸川区だけで何か所も新規建設されようとしていることに、納税者はもっと怒るべきでは? こうした事業を廃止できない国、そして国費をあてこみ、国のメニューに安易に乗る自治体。わかっちゃいるけど、やめられない?その体質、いい加減にやめにしましょう。