「学童補食」を自治体事業として実施する区①~世田谷区

2013年4月10日 11時45分 | カテゴリー: 子ども・教育, 行政評価

  学童登録児童の補食は区の事業ではないとする江戸川区に対し、世田谷区や江東区などでは、学童保育での補食を条例や要綱に明確に位置付け、区事業の一環として実施しています。 

●世田谷区

 1995年度から実施してきた放課後遊び場対策「BOP(Base of Playing)」と学童クラブを統合する「新BOP」は1999年度から段階的に導入され、「世田谷区新BOP事業実施要綱に基づき、2005年度から全64校で実施されています。本年3月現在、学童登録している児童は、小1から小3まで4000人。うち、補食費の助成を受けているのは450名で10%強。なお、心身の成長・発達等に起因する問題により、何らかの個別的配慮を要する状態にある児童は、小6まで学童クラブの対象となっています。 

   前述の要綱は20条からなり、第二条の3において、「新BOP事業のうち、児童福祉法第6条の2第2項の規定に基づき、保護者が労働等により昼間に家庭にいない世田谷区内の小学校低学年の児童(おおむね10歳未満)に対し、授業終了後に小学校の施設を利用して、BOPも活用した適切な遊びの場及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業は、新BOP学童クラブ(以下「学童クラブ」という。)と称する」とし、「学童クラブの費用の負担」の中で、間食費(補食費)についても次のとおり明記しています。 

第16条 学童クラブの児童のおやつの費用(以下「間食費」という。)については、

保護者の負担とする。ただし、生活保護受給世帯又は就学援助受給世帯につ

いては、この限りでない。

2 間食費は、児童1人につき月額2,000円とする。

第17条 既に納付した間食費は、区長が特別の理由があると認めたときは、還付する

ものとする。 

 このように世田谷区では、学童クラブの補食を要綱に謳い、区の事業の一環として実施しています。補食の合理化についても策が講じられており、食材の購入に関する公募プロポーザルがすでに行われています。一人一食単価60円(税込)で週単位のメニューを作成し、区の指示する数量を準備、各所に納品する年間契約です。64ヶ所を4ブロックに分け、ブロックごとに複数の事業者に委託しています。提案書の評価基準には、季節感も含めた品質の高い多様なメニューが提供できるか、アレルギー対応ができるか、安全・確実な配送ができるか、容器回収や配送車種など環境への配慮がなされているか、などが列記されています。この契約には、アレルギー対応のできる江戸川区の業者も参入しているといいます。 

  区には、新BOP事業に関し、他にも「新BOP指導員設置要綱」(2006年)、「世田谷区新BOP運営委員会設置要綱」(2007年)、「世田谷区新BOP緊急移送費支給要綱」(2009年)、「新BOP看護師設置要綱」(2010年)、「世田谷区新BOP学童クラブ間食納入委託事業者選定委員会設置要綱」(2010年)など細かな規定が設けられています。「子ども条例」を持つ世田谷区の強みでしょう。今後もし、補食の是非が問われるようなことになれば、要綱に則り、運営委員会で広く議論されることになることと思われます。 

 なお、同区では、これまで学童クラブの育成料を無料とし、一般財源を年間10億4500万円投入してきましたが、登録児童数の伸びや施策拡充に伴う運営費の増加により、費用負担公平性の観点から、本年7月より3000円を徴収することとしました。間食費と合わせて月額5000円となります。これに伴い、昨年12月、「学童クラブ条例」を新設しています。