2校で補食廃止の荒川区~保護者アンケートを実施し、再検討の意向

  荒川区では「荒川区学童クラブの運営に関する条例」のもと、小学校3年生までの児童を対象に学童クラブ事業を24か所で実施しています。昨年9月時点での登録児童は1183人。施設の内訳は、ひろば館・ふれあい館併設8ヶ所、小学校内14ヶ所、保育園内1ヶ所、トミンタワー内1ヶ所。利用時間は、放課後から午後6時までで、土日は朝9時から午後6時まで。保育料月額4000円。補食は、それぞれの施設ごとに「おやつの会」があり、保護者から補食料を徴収し、児童指導員が準備、提供しています。補食費は、施設ごとに異なりますが平均月額は1500円。すべて自己負担で、区の一般財源は入っていません。

 2007年度からは、小学校内に設置する、放課後子どもプラン「にこにこすくーる」も順次実施。ここでは、従来の「学童クラブ」を内包し、「学童登録」児童と「一般登録」児童が一緒に過ごしています。「にこにこすくーる」は今年度から2校増え、24校中11校で実施。今後はすべての学校で「にこにこすくーる」を展開する考えです。

 荒川区では今年度新設した2校の「にこにこ」内学童クラブで補食を廃止しましたが、きっかけは、この「にこにこすくーる」との一体化にあります。補食の時間を設けると、放課後活動に支障をきたし、「学童登録」児童と「一般登録」児童が一体的に活動しにくい環境となることが理由です。これにより同区では、同じ学童登録であっても、22の施設では補食があり、2つの施設では補食がない、という状況になっています。

 この事実は、昨年12月の、新年度に向けた学童クラブ申し込み時には、当該校の保護者に周知されておらず、同区は大きな反発を受ける事態となりました。3月、当該校学童クラブ保護者会が、一方的な通知は到底受け入れられないとして、区に対し以下の考えを示し、要望書を提出しています。主な要旨は以下のとおり。

  1. 成長期の子どもにとって補食はなくてはならないものであり、身体面及び精神面に大きな影響を及ぼす。
  2. 学童クラブ利用児童は、保護者の監護が受けられないために学童保育を利用することが区から認められており、保護者に代わっての補食の提供は保育の一環として当然のこと。
  3. 現在の学童利用児童とその保護者、及び新一年生の児童とその保護者は補食が提供される条件の下で入室を決定しており、廃止される件については1ヶ月程前に一方的に通知されたのみであり、その事項に納得して利用をするものではない。
  4. 「にこにこすくーる」との合同事業であるため補食を摂る、摂らないで不公平が生じるのではという点については、にこにこすくーるの利用児童は空腹時に補食を提供してくれる人または場所があり、自由に帰宅することもできるが、学童クラブ利用児童はそうではない。「にこにこすくーる」利用児童と学童クラブ利用児童の家庭環境はまったく異なるものであり、一概にすべきではない。

 こうした状況をどのように受け止めているのか、所管の児童青少年課長にお聞きしたところ、廃止決定に際し、保護者の意見を聞かなかったことを認められ、「4月からまずは2校で補食を廃止するが、同時に保護者への丁寧なアンケートも行い、その結果を受けて再検討することとしている」とのこと。

 一方、江戸川区でも、小松川や清新町地区など、区内数校において、学童登録を利用している家庭の保護者が、区教委が言う「自主運営」としての補食実施の申し入れを書面で行いましたが、区は文書での回答をせず、口頭で「不可」である旨伝えてきています。以前もお伝えしていますが、この「自主運営」についての議会質問では、一般質問に対する答弁と、その直後の予算特別委員会での答弁内容に整合性がなく極めて不明確で、廃止を宣言したものの、「自主運営」に関しては玉虫色の議会答弁に終始することになりました。これについては『与党自民党』からも「廃止は支持する。ここは答弁を明快に。」と苦言が出るほどでした。説明に苦慮する姿は、迷走しているうちに、予算編成に合わせ、結果だけを先に出してしまった証左では? 江東区や荒川区のような保護者アンケートの実施が少なくとも必要ではないでしょうか。ここでも、行政主導で、当事者抜きにものごとを決める悪しき体質を露呈しています。この姿勢、改めるべき。

 江戸川区でも「江戸川区・学童補食の継続を願う会」が立ち上がっています。