阻止すべき「憲法改正」

2013年5月4日 13時44分 | カテゴリー: まちづくり, 平和

 憲法は言うまでもなく、主権者の私たち国民が、権力を行使する側の政治家や公務員などに対して、してはいけないことや尊重すべきことを定めるもの。国家権力に歯止めをかけて個人の人権を保障するものです。これが立憲主義。憲法99条に「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と定められており、国民は当然のことながらここに入っていません。 

 しかし、自民党憲法改正草案では、権力を持っている側が国民に対してあれこれ命じるものに変容し、国民の憲法尊重義務が102条に謳われています。第1条で「象徴」とされてきた「天皇」は「元首」とされ、9条には「国防軍の保持」を明記。やはり現行には定めのない国旗・国歌についても「日章旗、君が代」と定め、さらに「家族は互いに助け合わなければならない」「財政の健全化は確保されなければならない」とも。 

 新たな99条にあるのは、「緊急事態」制度。これは、外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害などが起こったときに出される「緊急事態」宣言のもと、内閣・行政機関が法律と同じ効力を持つ命令を、国会を通さずに出せる制度。国会の承認は「事後」とされています。つまり、戦争を仕掛けるのも、国民財産の接収も戦争への動員も内閣の思い通りになる? とても危険なものではないでしょうか。 

 そもそも、改憲を、憲法改正手続きを定めた96条からすすめる、ということに納得がいきません。国会議員の3分の2以上が賛成し、国民投票を行わなければ変えられないものを、その手続きのハードルを下げ、数の力にもの言わせ、いずれ9条を自分たちの思いのままにしていこうなど、到底許される手法ではありません。  

  この草案は、2005年に同党がまとめていた新憲法草案に比べてもさらにガチガチの内容。世界から高い評価を受ける格調高い前文も国家主義色を強めています。 

 自民党憲法改正草案は立憲主義を否定し、国のあり方を根本的に変えようとするものです。「国家総動員法」と見まがう「国土強靭化基本法」成立にも意欲を見せていることと合わせ、時代錯誤の国家観を振りかざす姿勢には、市民の力で歯止めをかけていかなければなりません。

 今後、国民投票の資格者を「18歳以上」に下げる動きもあり、若者参加は歓迎すべきことですが、若い人たちにはまずは改正の中身をぜひ共有してほしいと思います。