事業評価のやり直しを~北小岩1丁目地区スーパー堤防事業

2013年5月24日 14時19分 | カテゴリー: スーパー堤防

   23日、笠井亮衆議院議員が設けたレクチャーの席に、当該住民の方々と共に同席させていただき、スーパー堤防予算などについて確認してきました。説明は、国土交通省水管理・国土保全局治水課及び河川計画課計画調整室の担当の方3名。 

 今年度、スーパー堤防事業に付いた予算は42億円。

   うち、江戸川区の北小岩1丁目(江戸川)には、盛り土及び建物補償費として12億円。小松川のPE30街区(荒川)には、地盤改良費として3億円です。

 他に川崎市・戸手地区(多摩川)に盛り土と地盤改良で1億3千万円、大阪市・大宮地区(淀川)は盛り土費4千万円、大阪府道高速大和川線一体事業(大和川)には、道路を屋根で覆い、その上に土をかける覆蓋費として25億円が予算化されました。

 このうち、新規事業は北小岩1丁目と戸手地区とのことでしたが、長きにわたる東京都市街地再開発事業の中のこととはいえ、小松川の事業も新たに着工するものでは? これらはいずれも関東地方整備局管内です。 

 さて、前回ご紹介した、関東地方整備局事業評価監視委員会が「再評価」により、「事業継続」としたことについても当然質疑がありました。 

質問)当該住民の意見はどのように聞き取ったのか? 

回答)江戸川区から聞いている。 

 区は反対住民がいようとも終始推進の立場ですから、これは行政の意見。住民の意見ではありません。肝心の住民の意見は置き去りです。 

質問)説明の中で、住民の9割以上が賛成しているということだが、その根拠は何か?

回答)区からそのように聞いている。「再評価」の中にも、「建物調査には権利者の93%が協力済み」とある。 

 建物調査は、区からの強い要請があり、応じている方がいるのであり、調査に応じたから即賛成というものではありません。区からの調査依頼の書面は、当初普通の白い紙だったものが、黄色になり、ここへきて赤紙になっており強制色を強めています。仮に応じたとしても、その後の移転補償金の交渉が決裂する場合もあるでしょう。当初88人いた権利者は先行買収に応じるなどしてすでに20人が本地区から転出し、2軒は昨年末の火災により焼失。よって現状権利者は66人で、うち11人が取消訴訟の原告です(1名は火災の犠牲になられました)。9割以上の賛成とはなりえません。 

質問)説明の中で、「火災時、消防車が入れない地区」とあったが、当時、消防車は何台も地区内に入っていた。事実と異なるが、どういうことか?

回答)区からそのように聞いている。「再評価」の中にも、写真とともにそのことが掲載されている。 

 「再評価」の9ページには、確かに写真まで付き、キャプションには「消防車が地区内に入れないため、道路を通行止めしながら消防活動を実施した」とありますが、前段については、当時そこにいた住民の証言があるとおり、誤りです。この件については、国交省から所管の消防署に確認してもらうよう要請しました。 

質問)取消訴訟については、その内容もきちんと委員に説明したのか。

回答)9ページにあるとおり、説明している。 

 掲載されているのは提訴日や原告人数など基礎データに過ぎません。お伝えしているとおり、被告・江戸川区は、裁判では住民説明を覆してまで、あれほどスーパー堤防との共同事業を否定していながら、一方では、共同化をめざし大臣に直訴し、予算化を急いでいます。こうした二面性の説明を裁判長から求められている次回裁判は重大局面。この不誠実な姿勢を委員も知るべきです。 

 これら質疑からもわかるとおり、事業評価監視委員会に出された資料は、事実と異なることが多々あることが明らかに。しかもそれは、委員が事業継続か否かを判断する重要な要素となっていることから、事実を改めて委員に周知すること、その上で事業評価のやり直しをすることを求めました。 

 「江戸川区が言っていることには虚偽がある」との意見については、「江戸川区さんもしっかりした行政ですから」と国交省。司法も行政も、自ら調べることもないまま、自治体には全幅の信頼を寄せているようですが、自治体に何の問題もないのなら、日常の生活や仕事に追われながらも、住民自ら疲弊するほど反対運動を続け、裁判まで起こすことなどないでしょう。行政にも問題があるかもしれない―せめて、そこからスタートしましょう。住民を議論の中心に置きましょう。