北小岩のスーパー堤防予算化~さて、その先は?

2013年6月5日 01時10分 | カテゴリー: スーパー堤防

 10日から始まる第二回区議会定例会に出される一般会計補正予算は24億円余。先月成立した国の予算を受け、江戸川沿川新規スーパー堤防事業「北小岩1丁目東部地区土地区画整理事業」に19億9千万円の予算が付きました。つまり、ほとんどが本事業のための補正。うち2億650万円が国庫支出金、2億2525万円が都支出金、そして15億6102万4千円が区の街づくり基金からの繰り入れです。使途は、建物等移転補償費が18億6466万円で、その大部分を占めています。

 国庫支出金には「国庫負担金」と「国庫補助金」があり、今回、負担金1億円、補助金1億650万円となっていますが、前者の「国庫負担金」は、スーパー堤防との一体事業であるがゆえの特別措置。通常の区画整理事業には付かないお金です。今回は1億円の補正ですが、今後この負担金の割合がどんどん増えていくことになります。また、都支出金の中には、区画整理に伴う都道建設1億7千万円が含まれています。

 今回15億以上を活用する「街づくり基金」は江戸川区の主要6基金のうちのひとつ。この活用により残額は107億円ほどに。他には、財政調整基金、文化施設等建設基金、災害対策基金、教育施設及び区民施設等改築基金、減債基金があり、これら6基金の合計は1017億円(2011年度)です。 

 こうした基金の他に、唯一お金以外にも替えられる「用地取得基金」という運用基金が200億円あります。条例の定めでは上限70億円としていながら、区長の予算提案、そして区議会の議決により、ここまで膨らんでいます。現金と土地・建物の割合は、土地・建物が約120億円分で、現金よりはるかに多い状況。これは、先買いも含めた用地取得などに充てられた結果で、スーパー堤防関連では、北小岩1丁目地区で少なくとも11億、篠崎で46億円使われました。事業化できなければ、区民の財産に損失をもたらす、という事情を区は抱えることになります。 

 北小岩については、国の「スーパー堤防事業」と、区の「土地区画整理事業」を共同で実施するための基本協定も先月末締結。両者国と区の費用負担も定められました。こうした一連の動きについては、2月の江戸川区長による国交大臣への直訴、5月の国交省関東地方整備局事業監視委員会の再評価に基づく継続の判断が布石となったことは間違いないでしょう。しかし、すでにお伝えしている通り、直訴の内容や再評価を判断する事実に虚偽の内容があることがわかっています。

 区は、7月中には仮換地指定、その後移転補償契約を結んで住民を移転させ、国がスーパー堤防事業に着工、その後区画整理を行うというスケジュールを組んでいますが、果たしてそのように進むかどうか。本件の場合、エリアを分けてすすめることはできず、全員をいったん移転させ、更地にしてからでないとことはすすみません。土地区画整理法77条には、施行者が決めた期限内に移転しない場合に、施行者自らが行う「直接施行」の定めもありますが、区はこれまで「合意形成を図る」ことを旨としてきています。

 ところで、荒川下流河川事務所のホームページには、「スーパー堤防」の関連リンクが貼られ、窓口も設けられ、フリーダイヤルまで設定されていますが、同じ関東地方整備局管内でも江戸川河川事務所にはこうした表示は見当たりません。区内のあちこちで見かける水位表示も潮位表示もやはり荒川。荒川の方が江戸川よりずっと脆弱で、首都圏を守るためには、堤防強化の優先度が圧倒的に高い―これはもはや共通認識。治水対策は、必要な箇所での対策こそが急がれなければなりません。

 なお、北小岩1丁目東部土地区画整理事業の総事業費は、事業計画の中の資金計画では43億2800万円とされてきましたが、ここへきて47億円と約4億円のアップ。また、整地費3億4600万円の内訳を盛リ土費2億5900万円、整地費8千万円と説明してきましたが、盛り土費が7億円となっています。