宅地造成のための盛り土か?高規格堤防たりうる盛り土か?~江戸川区スーパー堤防取消訴訟第7回口頭弁論

2013年6月13日 00時43分 | カテゴリー: スーパー堤防, スーパー堤防裁判

  12日(水)、スーパー堤防取消訴訟の第7回口頭弁論が、午前11時から東京地方裁判所大法廷で行われました。区議会一般質問日と重なったことや、雨の影響が心配されましたが、大法廷は93人の傍聴者で埋め尽くされました。 

 前回、裁判長から14項目にも及ぶ不明点の説明を求められた被告・江戸川区が、いかに釈明するか? そこに注目が集まりましたが、この日も被告サイドはだんまりを決め込みました。5月末に提出した準備書面(3)の中で説明している、ということでしょうが、それを知っているのは、裁判所と双方の原告及び弁護団のみ。満場の傍聴者は肝心のその釈明を、目にすることも耳にすることもできず、結局どうなっているのかわからずじまい。いつものことながら、こうした進行が許されていては、裁判の公開の意味はありません。 裁判所も情報提供のあり方を考えるべき。

 一方、原告側は、やはり5月末に提出していた原告準備書面(7)の内容をコンパクトに明快に陳述しました。これにより、何を問題視し、どのように主張しているかがよくわかります。今回は、利根川本川に洪水を追いやり、江戸川には多くを流さないという利根川の治水の史実をもとに、現実の流量から見て超過洪水対策は不要であること、盛り土により液状化のリスクが高まること、本来計画の内容が決まってから行うべき買収を、その4年以上前から大規模に行ってきたことの違法性について、これまでの主張を補足する陳述が行われました。 

 被告側が口頭弁論を行わない以上、あっという間に終わってしまうのでは、と思った矢先、谷口裁判長から、被告の主張の全容がよくわからなかったが、書面の提出によりおおむね理解した旨の発言がありました。そして、裁判長はこう続けたのです。「ついでと言っては何ですが、書面(3)で言及している『宅地造成に必要な盛り土』ということがわからない。」同書面には、『事業計画決定時点では、いかなる規格により盛り土整備を行うかは具体的に定められていない。』とあることとの矛盾を突いたものです。 

 この裁判長の指摘をきっかけに、白熱した応酬が。原告代理人から、「宅地造成のための盛り土なのか?高規格堤防たりうる盛り土なのか?」「住民説明の際に配布された資料にある盛り土は、いずれを意味するか?」とたたみかけられ、被告代理人が思わず「高規格堤防だ」と答える一幕も。この回答は、これまでの被告側の主張を覆すもの。聞いている方がシンパイしてしまうほどの一貫性のない被告側の発言。重要な争点についての、この緊張感のなさはどういうこと? 何を言っても、どうせ負けることはない、それが行政訴訟、ということなのでしょう。原告代理人らがこの裁判にかける膨大なエネルギーに対し、被告代理人については、その知識不足が毎回露呈されています。最後に、原告側から「宅地造成の盛り土の内容を明らかに」と求められ、次回の宿題になりました。 

 このポイントは、私も議員時代、質問したこと。本事業の資金計画にある整地費3億4600万円について、「つまり、スーパー堤防事業でいう盛り土ということか?」との質問に次のような課長答弁(議事録P98)がありました。

「ここで私どもは土地区画整理事業としての事業計画を策定していますので、宅地造成に必要のための盛り土ということで、その盛り土がここの街の場合は、たまたま蔵前橋通りの市川橋の坂路の勾配がおおむね3%から4%ぐらいで、ちょうどスーパー堤防でやったときのいわゆる堤防の高さの約30倍という勾配とおおむね一致していることから、輪切りにした断面はほぼイコールでございますけれども、ここで積み上げた資金計画の盛り土というものはあくまで宅地を造成するための盛り土という規格の中で計上したものでございます。」

 前段と後段では「宅地造成」と言っていますが、下線部にあるよう、「盛り土の断面はスーパー堤防とほぼイコール」であれば、「本件事業計画は、高規格堤防たりうる盛り土整備をする内容のもの」で、「具体の盛り土整備を定めていた」から、この答弁になったのでは? 2011年3月の予算特別委員会土木費審査での質疑。裁判での主張と異なっていませんか?