執行停止を求める~スーパー堤防と一体の区画整理反対住民

2013年8月2日 21時02分 | カテゴリー: スーパー堤防

  7月31日(水)、スーパー堤防事業と一体の北小岩1丁目東部土地区画整理事業について、取消訴訟を起こしている住民9名が、土地区画整理事業の執行停止を東京地方裁判所に申し立てました。行政訴訟の場合、執行停止だけを申し立てることはできず、前段に取消訴訟という本案訴訟があって初めて提訴できます。 

 取消訴訟が起きたのは2011年11月。お伝えしている通り、裁判は8回を数えましたが、一方で江戸川区当局は事業推進の手を緩めず、春先には国交大臣や財務大臣に予算化を直接要請した結果、予算を勝ち取り、5月に国との基本協定を結びました。そして、7月16日(火)に該当住民に「仮換地指定通知」を出し、その中で家屋の使用収益期日を12月16日(月)と言い渡しました。 

 仮換地は、施行者(区)が地権者に対し、今居住している場所から、何番の地番に何坪にして変えるという居住地の「指定」を行う行政処分。ついては、いつまでに、(今回は12月16日まで)、今のところから離れなさいというだけでなく、家屋も壊して更地にしなさい、と。 

 そこで次は、「除却(通常は「移転」)通知照会」なる手続きへ。これは、区と住民の間で交わされる移転補償契約の補償金の中で任意に家を壊すのか、壊さないのか、との区からの問い合わせ。つまり、後者なら結果的に「直接施行」という、区による強制執行につながる、という確認になるものです。 

 本訴である取消訴訟で、この先原告の主張が認められ、違法との判断が出たとしても、こうした既成事実が積み重ねられ、更地になり、盛り土工事が始まってしまった後だったりすれば、転居した住民全員の法律上、事実上の状況に多大な影響をもたらすことなどから、事業を取り消すことによって守られる利益の方が小さいと判断され、「事情判決」になりかねません。そこで、仮換地指定処分の段階で、その効力を止めることにより、事業の進行を停止する必要があることから、今回の申し立てとなったものです。

 本件事業はこれまでの区画整理とはわけが違います。エリアを分けてすすめることができず、全員が一斉に立ち退かなければならない点、そして、平面移動ではなく、うず高く盛り土された傾斜地に住まなければならない点。 

 裁判で数々の問題点が明らかになってなお、何事もなかったかのように区画整理のプロセスは進んでいきます。スーパー堤防と一体の土地区画整理事業は、基本的人権の尊重を謳う憲法にかなっているのでしょうか。司法には、行政が触れることのない、住民に多大な負担をかける事業の本質を、そして、住民主権のまちづくりとはほど遠い、まち壊しになっている現状をよく見ていただきたいものです。