「スーパー堤防ありきではない」との主張くずれる~江戸川区スーパー堤防取消訴訟結審②

2013年10月19日 18時59分 | カテゴリー: スーパー堤防, スーパー堤防裁判

 反対尋問では、被告江戸川区が認否を避けてきた盛り土の危険性などについての認識も問われました。 

  2011年11月28日の第4回定例会における、土木部長の次の答弁について、被告証人に確認がなされました。「盛り土をしなければスーパー堤防になりません。そこの負担をかけざるを得ません。」「盛り土は心配だということなんですが、お気持ちもこれはよくわかります。さきの地震でも盛り土をしたところが被害を受けたということがあるわけですが~」。(P46) 

 2011年の東日本大震災では、利根川のスーパー堤防において、津宮及び須賀地区にて、地盤沈下や擁壁のひび割れ、液状化や法面すべりが起きたこと、また、2004年荒川の北区浮間で、大雨により法面が崩れ、道路をふさぐ事故があったことについて、被告証人に「知っていますか?」と問うと、「知っている」との答え。区が盛り土の危険性を十分認識していることが改めて確認されました。 

 当該地区の説明会では、過去にワークショップも持たれ、区からは3タイプの「まちづくり案」が示されています。これに関し、「盛り土を伴わない案は提示しましたか?」との問いがなされましたが、答えは「おそらくない」というもの。そのとおり、3つの「まちづくり案」は、すべてスーパー堤防と一体の形で提示されているのです。 

 被告証人が主尋問でも述べた「区費0円」との説明が誤解を生じさせているのでは、との件に関しては、10月8日(火)の区議会決算特別委員会での証人の答弁(公式議事録はまだ公表されていない)を引用。「総事業費47億円のうち、国費は26億円、区費は21億円。その区費の内訳は、国庫補助金2.4億円、都補助金3.5億円、都市計画交付金4.2億円、残り半分は都区財政調整交付金の対象となる」。この説明に照らせば、区の負担はほとんどなく、「今でも区費はゼロ円という説明がなされているのですね?」との確認が。

 さらに、昨年12月に起きた火災について、被告証人は、陳述書の中で「区は、緊急車両の進入や消火活動が一切できないなどと言ったことはありません。十分にできない、制約があると言っているのです」と述べています。しかし、多田区長は、「あの十八班地区(当該地区)も消防車は入れません。」(同上議事録P44)ときっぱりと議会答弁。「消防車が地区内に入れないため~」と、やはり明確に書かれた国交省関東地方整備局事業評価監視委員会の再評価資料も証拠として提出されていますが、これら情報提供は江戸川区。しかし、実際は2台入って消火を行った事実が。被告証人は発災当時のことを「現地事務所の屋上から消火活動を見守りましたが、~消火活動は難航しているように見受けられ、やはり、本件地区は防災上問題がある地区」と記しています。「では、消防車2台が入ったことを知ったのはいつですか?」と問われると、「ずっとあと」との回答。屋上から何を見守っていた? 

 最後に、区が本年5月30日、国との共同事業化の基本協定書を結んだことに関し、「事業計画の『設計の概要』に『共同事業』は記されていませんね?」と聴かれ、「記されていない」と回答。「事業計画変更をしなければならないことを知っていながら、仮換地指定通知や建築物等除却通知照会を行っているのですね?」との確認がなされ、反対尋問は終了しました。