最終陳述「必要性・有効性なき事業計画は違法」~江戸川区スーパー堤防取消訴訟結審⑤

2013年10月30日 15時07分 | カテゴリー: スーパー堤防, スーパー堤防裁判

 現在発売中の月刊誌「文藝春秋」では、元国土交通省の河川局の役人だった宮本博司氏が、現在の堤防政策を批判し、スーパー堤防は国土強靭化にならない旨を述べています。スーパー堤防は、国交省河川局の専門家の目から見ても、不要なものなのです。(「文藝春秋」11月号 ドキュメント現代官僚論④「国土強靭化に翻弄される国交省」藤吉正春さん)

 これほどまでに、必要性も有効性もない、スーパー堤防のために、本件事業を強行する理由はありません。 

 他の理由として、火事が起きた場合の消火活動や救助活動のために必要だということを、江戸川区は主張しています。しかし、本日の原告の尋問で明らかになったとおり、現状でも消火活動や救助活動に支障はありません。

 さらに、西側の道路からの消防車両通行可能な行き止まりの道路を一本つくれば、消火活動上の支障はまったくありません。盛り土をする必要もないのです。これですべて問題は解決します。(このままでは増加すると予想される)通過車両の問題もありません。西側道路の段差といっても20−30cmです。そこに道路を通すことは十分可能です。

 問題は、江戸川区がこうした代替案を検討していないことです。江戸川区がいう理由が本当ならば、こうした代替案が検討されてしかるべきです。この案ならば今でもできます。そうすれば盛り土もなく、安全性もより高められます。江戸川区よ、考え直しませんか。このまま、建物の除却を強行したら取り返しのつかない被害が発生します。本当に、防災や救助のためなら、この代替案を真剣に検討し、それを実施すべきです。 

 小島団長は以上を述べ、「このような本件各決定は違法という他ありません。ただちに取消の判決が下されるべき。また、このまま実施されたらもはや取り返しのつかない重大な損害が発生することから、執行停止の決定も下されるべき」と主張しました。 

 なお、裁判冒頭では、原告の専門家証人意見書及び鉄道騒音調査報告書、傾斜地での被害立証のため車いすや自転車走行実験ビデオほかの証拠の取り調べが行われました。

 専門家の意見書は、①大熊 孝 新潟大学名誉教授「スーパー堤防不要論」と「あるべき治水対策」②日本地質学会会員 渡邉拓美さん「盛り土の危険性について」③公益社団法人東京自治研究センター特別研究員 伊藤久雄さん「都市計画事業、区画整理事業の手続き論について」が提出されました。