区画整理法の前に憲法を守れ~公共事業改革市民会議が再質問書提出②

左側が江戸川区、右と中央が公共事業改革市民会議のメンバー。質問の説明をする嶋津さん(右奥)。

横浜環状道路(圏央道)対策連絡協議会会長を務める比留間哲生さんは、「圏央道の事業に関し、(スーパー堤防と同じ所管の)国交省関東地方整備局の事業評価監視委員会は合意不可欠との付帯決議をしている。合意がなければ人権に対する冒とく。行政は法に基づき仕事をするが、江戸川区は、いちばん表の憲法にある生命権、財産権に触れていない。田中正造の世界に戻っている。(問われるのは)区画整理法じゃないでしょう。生活している人に思いをはせないことに驚き、怒りを感じる。圏央道はすでに25年延びているが、理解を得るまで手を付けない。やってはいけないのだ。(北小岩の本件は)このままいけば悪名高い大変な事件になる。」と警鐘を鳴らしました。 

橋本代表は区に対し、「人権を守ってください。住んでいるところを奪わないでください。すべての人の思いを汲んでください」と述べ、12月16日の除却期限を止めることを求めました。 

市民会議の事務局長も務める遠藤さんからは「文書のやりとりだけでなく、意見交換をしましょう。『そんなことをやったことはないからしない』では理由にならない」との申し入れが。 

長年水源開発問題に取り組み、今回の質問提出時には内容説明をしている嶋津暉之さんからも「こちらは質問趣旨について説明しており、区も回答についての説明をしていただきたい。江戸川区としても、なぜここへ来て初めてのこと(除却通知など)をするのか。区の中にも(異なる)意見はあるのではないか」と投げかけがありました。 

質疑の中では、区主催の「まちづくり懇談会」への参加が地権者に限られていることについての問題提起もなされました。これは以前から議会でも指摘してきたことです。移転補償の説明にしても、地盤調査の結果を聞くにしても、専門的な内容であり、一般の人にとっては一方的な話を聞くだけにとどまります。ダム問題や道路問題など経験豊かなメンバーらは「われわれは専門家とともに行政と協議をしている。専門家の同席を認めないのでは地元住民の理解は不足する。説明は、理解してはじめて意味がある」と述べ、区の説明時には専門家の同席を認めるよう要望がなされました。 再質問書への回答は原則2週間後です。

地元から参加した住民からは、すでにまちを出て行った80代の方と最近会う機会があり、手を握られ、涙ながらに訴えられたことについての話がありました。

『ここで一緒に住んでいた孫たちと別々になり、一人で暮らすことになった。自分が住むところは3階建てだが、お風呂もエレベーターもない。私を殺してからやってくれ、と心では思っていた。』

 若い世代に遠慮し、本音を押し殺し、耐えている方は何人もいるのです。