公共事業改革市民会議の公開質問に回答しきれず~スーパー堤防と一体の土地区画整理事業

2014年4月13日 02時55分 | カテゴリー: スーパー堤防

 

盛土をしなくとも、すでに緊急時の消防車等の進入路や災害時の避難経路は、ご覧のとおり確保されている。

 311日、公共事業改革市民会議から江戸川区に提出された4回目の公開質問書に対する回答は、2週間後に出され、同市民会議のHPに掲載されています。以下に紹介した質問は、江戸川ネットが問題意識を持ち、昨年から議会質問してきていることでもあります。特に「質問2」については、これまでも質問趣旨に沿った答弁はなされておらず、今回の回答も理解に苦しむ内容でした。 

質問1)区がこれまで、示してきた事業スケジュールでは、今年の早い時期から国交省が盛土工事を始めることになっているが、事業計画上、「盛土を行うのは江戸川区」であり、今なされている事業計画変更の手続きが終了しない限り、国交省が高規格堤防(スーパー堤防)の盛土を行うことはできない。現在の盛土工事の事業主体は江戸川区以外にありえないが、見解は? 

回答)土地区画整理事業上で、盛土造成をするのは江戸川区である。 

質問2)昨年530日、国交省と区が締結した「北小岩一丁目地区高規格堤防整備事業及び北小岩一丁目東部土地区画整理事業に関する基本協定書」に沿った国と区の工事分担が土地区画整理法の上で可能になるのは事業計画変更の手続きが終わってからになるが、区の見解は? 

回答)共同事業化しても、2つの事業はそれぞれ河川法、土地区画整理法という別の法律に基づく事業に変わりはない。国が本地区の一部について高規格堤防を整備することになった。それにより、当初の本事業計画で区が土地区画整理事業により盛土造成するとしていた部分のうち、高規格堤防整備事業の施行範囲については、現地盤面からではなく同事業により整備した高規格堤防上に土地区画整理事業で必要とする宅地の造成をすることになる。よって、本事業計画の変更に当たり、国による高規格堤防の施行範囲に相当する部分の造成は、事業計画から除外している。国が平成26年度に予定している工事は、河川法に基づく高規格堤防の整備工事。区が変更手続きをしている本事業計画の変更内容は、土地区画整理事業上で高規格堤防の整備を行う内容ともしていない。よって、国が予定している工事が、本事業計画の変更手続きが終わってからでなければできないとする指摘には当たらないと考える。 

 結論は、施工者サイドの言い分を述べているだけ。市民側が求めている肝心のポイントを説明するには至っていません。法の上では、河川法と土地区画整理法に基づく別個の事業でしょうが、スーパー堤防と区画整理は、区がさんざん説明してきたとおり、まさに一体的になされるもの。一体でなければならないのがスーパー堤防整備の条件でもあります。しかし、スーパー堤防事業は国交省水管理・国土保全局治水課、土地区画整理事業は都市局市街地整備課とおキマリの縦割りであり、それぞれが個々の事業についての見解を持つだけで、この2つの事業についての問題点を一体的、総合的に勘案し、判断できる部署はありません。会計検査院から2度も指摘を受けた本事業の問題点を国会がしっかりと受け止め、ひと・環境を議論の中心に据えて結論を導く政治の力が求められます。

 回答からは、施行者の苦しさも垣間見え、苦肉の回答とも思えてしまいます。ところで「苦肉」とは、「人間というものは自分で自分を傷つけることはない」と思い込む心理を利用する計略だそう。この心理を利用すれば、虚実を入れ替えて、たやすく人を欺くことができる、と考えられていたのだそうです。まさか行政がそうであるはずもないでしょうが。 

  今回は江戸川河川事務所へも質問書が出されましたが、開示請求で対応する、と回答がなされた部分については、すでに同会議より請求がなされているとのことです。 

 なお、当該地では、建物が取り壊されている部分について、328日までに整地工事が完了する予定でした。しかし、2つのビルが取り壊された跡地に計60本の杭が残っていることが判明したとのこと。区の現地事務所が置かれていたビルでは、そうした杭も一緒に撤去されましたが、なぜ差異が出たのか。「地権者が今後どのような土地利用をするかわからないため、支障がないように」、区はその撤去工事を新たに行うこととなり、さらに2か月ほどを要することが見込まれています。