通常の14倍の費用便益は適切か~江戸川区スーパー堤防仮換地処分取消訴訟第4回口頭弁論期日報告②

2014年12月26日 20時47分 | カテゴリー: スーパー堤防, スーパー堤防裁判

 小島延夫弁護団長からは、都市計画の専門家である岩見良太郎埼玉大学名誉教授が提出された意見書の主な内容についての説明がありました。

 この意見書の中では、本件について、都市計画原則に大きく反すること、異例づくめであり、違法内容を含んでいることなどが明記されているといいます。

 都市計画事業は、費用便益やコミュニティの尊重、当事者参加などが図られるべきでありながら、そうはなっていないことが指摘され、特に費用便益については、通常の土地区画整理であれば、1ヘクタールあたり2.2億円であるところ、本件事業の場合、31億円と、14倍以上であるなど、非常に高い負担となっていることが示されました。

 さらに、全戸が長期間にわたる中断移転、2度の移転を強いられることは、実質、スーパー堤防事業のためであり、本来法律上できないことを他の法律を使って行っていることについて、正当な理由はなく、そもそも合理性がないことを指摘。目的自体が違法であり、その不法目的のために、住民が権利侵害を受けていることから、事業計画決定も仮換地処分も違法、とされました。

 高橋新一原告団長は、「国は区画整理事業で逃げている。スーパー堤防事業について、国の説明を聞いたことがない。納得もしていないのに、こんなことができるなら日本も終わり。家もなくなり闘うだけだ」と話していました。

  さて、25日に東京都が発表した「東京都長期ビジョン~『世界一の都市・東京』を目指して」。都市戦略4には「安心・安全な都市の実現」が掲げられています。「最大級の地震による水害から都民の生命・財産、首都東京の中枢機能を守る河川・海岸保全施設の整備」に謳われたのは「沿岸部や低地帯における堤防の耐震対策、水門・排水機場の耐震・耐水対策」。多発する局地的な集中豪雨への対策としては、「13の調節池の整備により、都内全域の貯留量を1.7倍に」「甚大な被害発生地域には豪雨対策下水道緊急プランによる対策を推進し、浸水被害を早期に低減」などが盛り込まれました。人口・資産の集中する首都圏を守るはずの「スーパー堤防事業」は、世界一安全な都市を目指し、都民の生命・財産を守りたい都のビジョンのどこにも見当たらず。いち早く現実路線に舵を切ったのは、世界中の注目をあびるオリンピックを控える首都・東京?