スーパー堤防と一体の土地区画整理費に街路樹費流用~不十分な地盤調査

 北小岩1丁目東部地区で、昨年末から着工されたスーパー堤防事業は、盛り土の3分の1が終了した段階です。

 5月、地盤整正中に、また鋼管杭が19本見つかりました。1年前に続いて2度目であり、区は撤去し、適切な処理をした上で国に引き継ぐことになりました。その撤去工事に500万円、地盤工事に100万円、計600万円を要し、うち、500万円は街路関係経費として予算計上されていた費目を流用しました。

  区の予算は、款・項・目の順で分類されています。たとえば、区画整理費であれば、「第12款土木費・第2項都市計画費・第1目土地区画整理費」という具合です。そして、「第2項都市計画費」には第2目として「緑化公園費」があり、このうちの「街路樹関係経費」が流用されました。「目」同士の流用は認められるているそう。

  しかし、新年度の予算執行体制がスタートしてすぐのタイミングで、別の費目を流用するとは。「街路樹関係経費」は、6億3500万円ほどが計上されていました。6億のうちの500万円ならどうってことない、のでしょうか。今、どの自治体でも財政当局はとても厳しく査定し、予算編成しているだろうと思われます。それぞれの費目の積算根拠が問われるのでは? ちなみに土地区画整理費の当初額は3つの事業費(篠崎駅西部・北小岩1丁目東部・上篠崎1丁目北部)合わせて3億円ほど。人件費除く。

 均質な盛り土をするための事前の地盤調査が十分になされていない結果であり、残す3分の2を行う過程で、さらにまたこのようなことが起きる可能性は否定できません。

 昨年、回避すべき「直接施行」を強行した際の費用は、「予備費」でした。このような重大な費用に、議決を要さない「予備費」を充てたことについて、江戸川ネットは議会でその問題点を指摘し、その後、「直接施行費用」の補正予算にも反対討論をしたところです。

 さまざまな苦悩を抱えながらも、住民が一人残らず立ち退き、事業が始まってからも、他の事業費を使わなければならないなど、この事業がいかに無理に無理を重ねた上でしか成り立たないかということが、この期に及んでも表面化しているのではないでしょうか。

 16日の建設委員会で本西みつえが質問しています。こちらからどうぞ。