根拠なき権利制限~江戸川区スーパー堤防仮換地処分取消訴訟第8回口頭弁論

2015年11月17日 00時57分 | カテゴリー: スーパー堤防, スーパー堤防裁判

 北小岩1丁目東部地区でなされている盛り土は、江戸川区の土地区画整理事業ではなく、国のスーパー堤防のための盛り土である。なぜ、国にその工事権限があるのか?  

 国及び江戸川区は、この問いについて、「土地区画整理法100条の2」をその根拠としています。しかし、この条文は<仮換地に指定されない土地の管理>を定めたもので、しかも、「換地処分の公告があるまでは、施行者がこれを管理する」とされているものです。これに則るのであれば、「江戸川区の管理に基づいて、国が工事している」ということになりますが、施行者(江戸川区)以外の者が施行するには、同法80条に別途「土地の利用等」の定めがあり、「施行者が命じた者若しくは委任した者」でなければなりません。そもそも、この法律は土地区画整理事業について規定した法律ですから、当然それは「土地区画整理事業」の工事でなければならず、それが国のスーパー堤防事業であっていいはずはありません。

 しかしながら、当該地での盛り土は、前述のとおり、国の直轄事業・スーパー堤防事業そのものであり、当然ながら、国が発注した事業者によって堤防建設がなされています。 

 被告・江戸川区は、土地区画整理事業施行者として、冒頭の見解を求められていましたが、国の見解そのままに、この根拠条文を提示し、「国による盛り土(スーパー堤防事業)が必要だから」と主張しました。やはり書面で。

 これについて、福田健治弁護士は「法解釈の基本を全くはずれ、法治国家を無視するもの」と断じました。さらに、「『工事』を言うならば、同法80条に特化した規定があるが、被告はこれには言及していない。このような行為も『管理』であるならば、どんなことでも『管理』となる」。 

『管理』とは何か? これは『管理』にあてはまるのか? 『管理』をどう考えているのか? こうした説明もなく、「必要な工事だから」「断面(構造)が同じだから」として、スーパー堤防事業を強行することについて、「私人の所有権があることを忘れた議論。個人の権利・利益を制約するには法の根拠が必要であり、このようなことは許されない」と主張。この間、谷口豊裁判長も神妙な面持ちで聴き入っていました。果たして、「これはまずい・・」と思われたのかどうか・・。法の番人なら、そう思うはずですが。 

  谷口裁判長は「100条の2」が、国も被告となっている「スーパー堤防差止訴訟」においても議論になっている点を確認し、次回期日を、差止訴訟弁論期日の翌日、113日(水)午前11 としました。法廷は同じく803です。同日のダブルヘッダーも協議されましたが、連日の裁判に。

 そもそも本件は、土地区画整理事業計画において、法に定める重要な変更(設計の変更)手続きを経ないまま、なされた仮換地指定処分の取り消しを求めたもの。こうしたプロセスがまかり通ること自体、地権者の権利侵害であることを忘れてはなりません。