スーパー堤防が「内水氾濫」を引き起こす?~北小岩スーパー堤防地で土砂流出

今日2日の雷雨もすさまじい勢いでしたが、7月14日(木)、豪雨に見舞われた北小岩1丁目のスーパー堤防地では、JR線路下の道路に地区内から土砂が流れ込み、雨水が滞留して道路が冠水。土砂の撤去や道路清掃などのため、千葉街道の一里塚交差点から蔵前橋通り交差点の間が両側とも1時間以上通行止めとなりました。また、27日(水)夜間には、このとき下水本管に流れ込んだ土砂を除去するため、緊急清掃もなされました。

この春、スーパー堤防の盛り土が終了した現地は、国から区へと引き渡され、現在、江戸川区が土地区画整理事業を施工中。日積算雨量57.5㍉となったこの日、地区内では下水管の敷設工事が行われていました。

当地には仮排水機能は整備されていましたが、結果的にはその設置の見通しが甘かった? これを受けて、新たに仮排水が増設されることに。

区では、下水管を通している最中であり、排水機能が十分果たせていない、とし、今回のことを「道路冠水」として報告していますが、その「道路冠水」は、豪雨により地区内の土の表面が流れ落ちた、つまり「土砂崩落」によるものでは? 

堤防高の30倍に及ぶ広い幅で、なだらかな傾斜をつけて土を盛るから頑丈、だから越水に耐える、とは言っても所詮は土。実際は水によって崩れることが図らずも実証されてしまった格好です。

想定外のことが起きたときの言い訳には「整備中」がよく使われますが、今回も「舗装していないため」とのこと。確かに、上面整備されれば、土砂が崩れて流れ落ちることはないでしょうが、傾斜のあるまちでは水は低きに流れ、整備されて滑りのよくなった道路をつたって、スーパー堤防の法尻に隣接する千葉街道を冠水させるような事態が今後も起きる可能性は否定できません。同じ14日、市原市では、高い土地から道路に沿って濁流が発生し、街路がまるで川のようにあふれていました。

200年に1度の、計画を上回る外水氾濫(川の氾濫)に耐える設計のスーパー堤防が、実は雨によって内水氾濫を引き起こす危険をはらんでいる―このことが露呈した一件だったのではないでしょうか。 

土砂が撤去された現地。右がスーパー堤防地、左が千葉街道。

土砂が撤去された現地。右がスーパー堤防地、左が千葉街道。