原判決の数々の誤り指摘~江戸川区スーパー堤防差止訴訟控訴審第1回口頭弁論③

2017年6月1日 01時45分 | カテゴリー: スーパー堤防裁判

小島延夫代理人は、次に「危険な盛り土の上に所有権が変更され、そこに居住を強いられることによる侵害」について陳述されました。

地盤強度不足発覚により、国が調査した結果、住宅用地として必要な強度を満たしていない範囲は全体の13%、さらに、強固な層を含めると全体の50.6%もの範囲で異常が判明しました。極めて重大な問題です。この件について、以下4つの問題点を指摘されました。

① 「従前からの地盤強度不足」は被控訴人らの調査不足以外の何ものでもない。原判決は「地盤解析が行われた上、滑り破壊に対する安定性の計算を実施し、浸透による滑り破壊に対する安定性が確認されるなどしているものと認めるのが相当」と判示したが、なぜこう言えたのか。どんな調査をし、どのような分析をしたのか、被控訴人らは具体的な主張立証をしていない。裁判所の対応も問われることになる。

② 「問題のある盛り土」については、施工工事が適切に実施されていなかったということ。原判決が言う「構造令の規定や設計施工マニュアルを遵守して盛り土工事が実施された」事実はなかったということ。

③ そもそも控訴人らはスーパー堤防盛り土において、過去に崩壊した事実を指摘し、原判決も北区赤羽の事例を上げ、認めている。現実に、崩壊、ひび割れ、液状化が発生した事実がある以上、盛り土の危険性については、その危険性がないことを立証する被控訴人らが具体的に主張立証しない限り否定できないはず。しかし、原判決は「これらの事例が生じたスーパー堤防と本件人工地盤は、その形状や位置関係、材料や施工方法等において同一であったと認めるに足りる証拠はなく、同様の事例が他のスーパー堤防においても一般的に発生しているものと認められる証拠もない~(中略)。原告らの主張する盛り土の危険性は一般的・抽象的な危険性の指摘にとどまり、本件盛り土工事によって設置された盛り土に液状化・不同沈下・斜面崩壊といった具体的危険が認められるものではない」とした。同じ国土交通省河川事務所が行う工事であるのに、その安全性について具体的な主張立証をしなくても、具体的危険性が認められないとした原判決はあまりにも安易、軽率であり、行政への根拠のない信頼に依拠した判決である。「一定の安全性がある」などとするのは、現実から目を背けている。原判決のような判断は「構造令や施工マニュアルを遵守して施工された盛り土において、過去、地盤上の問題は一切発生していない」という前提があって初めて言えること。

④ 本件盛り土工事では大変な問題が発生し、具体的な危険がある状況であることが判明した。現在のところ、どのような対策をとるのか、いつ引き渡しとなるのかもわかっていない。十分な説明がなく、控訴人らだけでなく、多くの地権者も強く憤っている。

最後に「全ての資料データを出し、真正面から議論すべき」と訴えられました。

当該地でのスーパー堤防工事。工法、管理は適切になされたのだろうか。