スーパー堤防、効率的な整備の前にすべきこと~国交省との対話

2017年11月18日 01時07分 | カテゴリー: 活動報告

 国土交通省が5月に設置した「高規格堤防の効率的な整備に関する検討会」は、7月27日の3回目の会議で「とりまとめ(案)」を出したものの、4か月近く経ちながら、未だ(案)はとれず、正式な「とりまとめ」となっていません。

 16日、山添拓参議院議員が行われた国交省ヒアリングの席上、担当者は「座長一任になっており、3回目に出された意見を踏まえて修文している。平成23年の見直し時に課題が3つ出され、その順番に合わせようとしていたが、若干構成が変わり、まだ調整中。速やかに出したい」と。しかし、その3回目の議事録も未だ公表されず。

 出席者は、スーパー堤防事業で実際に起きた不具合を省みることなく、やみくもに推進しようとする国の姿勢に対し、改めて素朴な疑問をぶつけました。

・「とりまとめ(案)」1頁17~20に明記されている「一部区間で整備した場合や基本的な断面形状が完成していない場合にも、堤防の安全性が格段に向上する」とする根拠を具体的にお示しいただきたい。

・スーパー堤防の基本的な断面形状は「堤防の幅を高さの30倍程度とする」とされているが、市街地では用地確保が極めて困難であり、結果的に不完全なものばかりになっている。30Hとする根拠や、30Hとした際の検討経過を示していただきたい。

・一部区間で整備されたスーパー堤防で越水が生じた場合には、両端から水が流れ、その通常堤防が崩れる危険があるが、これについてはどのような認識か。また、市街地で実施するにあたっては、実際のまちのケースを想定したシミュレーションの実施を検討されたい。

・篠崎公園地区では寺院は移転を求められる一方、神社は残される。また、荒川の平井地区では計画地が更地になっていたにもかかわらず、スーパー堤防化せず、平地にマンションが建設されている。国交省は個別の調整・検討の結果としているが、具体的にどのような調整を行ったのか。

・北小岩1丁目東部地区の地耐力不足の原因を明確に示されたい。

 これらについては後日回答をいただくことになりました。
 
 「一部区間でも、基本形が確保できていなくても、安全性が格段に向上する」などの強弁は、スーパー堤防ができてもできなくても実は関係ない、と言っているようなもの。本年9月、利根川・江戸川河川整備計画変更の際、篠崎公園地区のスーパー堤防反対意見に対する国交省関東地方整備局の見解でも同様の考え方が示されています。こちらから(P1)。会計検査院が「部分的な整備ではスーパー堤防の効果は発現しない」と断じていることはお伝えしているとおりです。こちらから(P96)。

 一方、第21回大和川流域委員会議事録によると、「会計検査院の出した、堤防の断面がすべてできたものを完成とするという判断基準を認めるか」との質問に対し、「事業効果の観点から集計をとると、会計検査院の指摘どおりということで理解している」との答弁が。(P2)

 同じスーパー堤防事業につき、同じ国交省でも、関東地方整備局と近畿地方整備局には見解の相違がある?