人間と社会環境の視点でスーパー堤防の検証を~アースデイ東京2018報告

一目瞭然。テンでハナシにならないスーパー堤防。

4月21日(土)~22日(日)、八ツ場あしたの会水源連(水源開発問題全国連絡会)、東京の水連絡会のみなさんとともに、「アースデイ東京2018」に出展。

社会状況や国民の生活実態、緻密な科学データから目をそらし、何十年も前につくられた計画だけをたよりに公共事業を押し通す河川行政に対し、昨年に引き続き「どうなってるの?日本の川!」とアピールしました。

スーパー堤防チームは、「堤防高の30倍の幅」もなければ「なだらか」でもない、安全の基礎が保たれていない区内各地の現実を写真で紹介。スーパー堤防事業を知っている人にも、知らない人にも「こんなものをスーパー堤防と呼ばせている」実態をわかっていただくことができました。

今年はブースの前にイーゼルを置き、江戸川・荒川周辺の航空写真に、点でしかないスーパー堤防施工箇所を落とし込み、自治体名を入れて表示したところ、「私も江戸川区で・・」「市川に住んでいて・・」「浦安市民で・・」という方々が足を止めてくださり、お話しすることができました。

都内の他自治体にお住まいの方には「この事業が東京で行われると、この先ずっと、東京都が事業費の3分の1を拠出する」ことなども説明すると、「え~っ、そうなの?!」

地質の専門家・渡邉さんのクラリネット演奏も。「テンでハナシにならないスーパー堤防」「川にグサッ ダム ムダ」のポスターの前で。

そして、今年も若者との有意義な出会いがありました。
福島で被災し、東京の大学で人間環境学を学ぶ18歳男性。「人生は生まれたときからだけれど、僕の人生は3.11から」。「復興事業の優先度、また事業の進め方に疑問がある」といい、堤防事業にも意見。国交省によるスーパー堤防の説明に見入り「万一のとき、スーパー堤防のほうがかえって危ないのでは?」 理由を聞くと「デコボコ道はなかなか進まないけれど、なだらかな坂は進む。なだらかな盛り土もそれと同じ。河床を段々にするといいのでは?」と。

社会環境工学専攻の、やはり大学1年の男性。ダムとスーパー堤防に共通の、住民に立ち退きを求め、生活の基礎を脅かす点、大事なコミュニティを破壊する点に疑問を。「きっとわかっているけど、やめられないんでしょうね」。

今の河川行政に欠けているのは生活者の視点。河川工学や土木工学だけではなく、住民生活をその中心に据えた方策の研究をしてくださいね、とエールを。

不完全なスーパー堤防の実態をパネル展示

 

 

しがらみのない若い力で、やめられないことをやめられる河川行政への転換を期待したいものです。

行政の説明にはない、スーパー堤防の不都合な真実を。ブースを訪れてくださったみなさん、ありがとうございました。