上申書への回答は?~治水事業を見直すとき

2018年7月9日 16時58分 | カテゴリー: 活動報告

地盤強度不足に関わる文書の提出命令により、国から提出された文書を点検していくと、文書不足が多くあることが判明。つまり、あるはずの文書が、出されているものと出されていないものがあるということです。そこで、控訴人らは国に対し、5月、再度提出を求めて上申書を提出したといいます。

2017年7月14日付「求釈明に対する回答書」によると、土地改良前の事前調査は、スウェーデンサウンディング調査が合計390地点であるのに、提出されたのは145地点、ボーリング調査も139地点に対し、41地点に過ぎませんでした。

これら未提出地点データに加え、対策工事後のボーリング調査結果と地質調査ボーリング結果、SWS事前調査地点を示した全体の地質調査位置図の原板図面(縮小していないもの)、ボーリング調査結果に添付されている調査機関の業務報告書の提出が求められています。

提出から1ヶ月後、国からは「江戸川区とも調整が必要。いつ出すとは言えないが、作業は前進している」との返事があったそうですが、2ヶ月が過ぎた今現在、それは提出されていません。

控訴人側は、これらがすべて提出されてから、文書の分析・検討を鋭意すすめ、その結果を受けて弁論期日が持たれることになるものと思われます。

なお、当地、北小岩1丁目スーパー堤防では地盤強度不足の対応を余儀なくされたことから、別の新たな問題も発覚しています。

契約していた新築工事が予定通りすすまなくなったことで損害を被った地権者に対し、盛り土の施行者である国が補償する、ということになっていましたが、1年以上が過ぎてもその請求のしくみが具体化していなことが判明したのです。(須田哲二区議会議員の本年6月定例会一般質問より)

住民の生活権、財産権を脅かす、こうした重大な問題を抱えながら、国は山積する問題について小手先の変更を加え、事業推進に躍起になっています。

民間事業者による河川空間の一体的な活用』『盛土と建築物等の一体施工

『治水』を旨とする国の直轄事業・スーパー堤防事業は、『治水』の名を借りた再開発事業であることが改めて露呈しているように思えます。

西日本の広い範囲で甚大な水害が発生しています。                                              莫大な費用、長大な時間を要しながら、堤防高は変わらず、土だけを盛ってつくるスーパー堤防が豪雨や地震に弱いことは、すでに過去の事例が教えてくれています。こちらもどうぞ。そして地方の河川・支川の堤防強化はなおざりにされてきました。

今、何を優先すべきか。日本の『治水』を国、そして地方自治体、市民が今こそ問い直さなければなりません。

*鬼怒川決壊を受け、2016年実施した防災勉強会では、治水行政のゆがみを明らかに。こちらから(⑤までご覧ください)。