「子ども未来部」と「子ども家庭部」

福祉健康委員会視察報告④

→佐世保市中央保健福祉センター「すこやかプラザ」内の子ども歯科診察台。

佐世保市では旧保健所が築50年を経過、老朽化の上に、バリアフリー化の対応も不十分であったこと、市役所庁舎における福祉部門も分散化していたことから、保健、医療、福祉のサービスの一体化を目指し、保健所、福祉事務所、救急診療所、地域包括支援センター機能などをまとめた、地上8階、地下1階の「すこやかプラザ」を昨年6月オープンしました。研修室、栄養・運動実習室など、多様な機能も備えていますが、国民健康保険関係の部署はスペースがとれず、本庁舎に残ることになったといいます。

 木目調の内装は安らぎを与え、階段に付けられた波型の手すりはユニバーサルデザインになっています。ペアガラスによって自然に部屋が温まるなど省エネ設計が随所に取り入れられており、太陽光や地熱利用、センサーによる照明制御や雨水・排水の再利用など、環境負荷低減の工夫も多彩。新しい建物ならではです。

 プラザでは、職員・パートなどを合わせ450名ほどが働いていますが、保健と福祉が合体した「保健福祉部」、子どものための「子ども未来部」など、組織体・ネーミングともに江戸川区とはひと味違った特徴があります。

 住み慣れた地域で最後まで自分らしく暮らすためには、医療部門と介護部門の連携は不可欠。このことは江戸川区の「第4期介護保険事業計画」の柱のひとつでもあります。「保健福祉部」はこの先、将来にわたり求められるニーズを見通したものといえます。

  また、子ども関係について、江戸川区では「子ども家庭部」が設置されていますが、子どもは家庭だけが育てるのではなく、広く地域で育て、未来を切り拓く、という視点に立てば、「子ども未来部」という捉え方の方が今日的であり、展望もあります。先に報告した福岡市でも「こども未来部」という組織になっていました。
  こうした点もぜひ参考にしていくべきと考えます。 
 
↓省エネ効果抜群のペアガラスに、太陽光パネル。右は、身体の不自由な方も使いやすいユニバーサルな手すり。