清掃工場運営委託と売電事業の情報公開を

2007年度決算特別委員会報告④

●環境費「23区清掃一部事務組合分担金」

清掃工場の運営管理受託事業とごみ発電などの電力販売事業を行う「東京エコサービス株式会社」(社長は中山弘子新宿区長)は、今年から江戸川清掃工場の運営も担っています。この会社の資本金は2億円で、一組としての資本金はその60%、1億2千万円でしたが、これは23区がそれぞれ520万円ずつ分担したものです。2006年9月議会で補正が組まれ、10月には会社設立という異例の速さで進められました。一組の業務だけでも区民には見えにくい中で、さらに一組の出資で会社をつくり事業を行うとなれば、その事業状況についてはきちんと公開してほしいと要望していましたが、議会に対しては何ら報告がない状況であり、改めて質問しました。

①経営についてはどのような状況か。現在の運営管理事業収入、及び電力販売事業収入は、計画通り進んでいるか。万が一、赤字になったときには税金の再投入は考えているか。
②売電事業計画では、販売先として、どの区にもあり、公平に電力を供給することが可能である小中学校を想定していた。現状はどうなっているか。

区長⇒会社設立の目的は、ひとつは人材確保。主としてOBの方たちの長年のノウハウを継続していくシステムをつくろうということ。東京ガスにもそういう技術者がいる。もうひとつは売電を効果的にやること。人材はそこそこだと思う。徐々に成果を上げている。今、5工場委託した。今年から江戸川工場も委託化ということになった。売電は相当の成果を上げている。会社設立の成果はいまのところはっきり見えていると評価している。

環境部長⇒3年から4年で黒字という計画。売電収入は非常に順調で、19年度で5200万の純利益。赤字ということだが、エコサービスの計画では想定していない。そういう経営はしないという大前提がある。100歩譲って、もしも、ということなら、企業なので税金投入はない。あくまでも企業努力になる。小中学校への売電についてだが、エコサービスというのは、清掃工場の中でも発電が良い5工場の電気をエコサービスが一括で買いあげ、それを特定の小売業に売るという卸をやっている。小売業の許可はまだ持っていない。小売のためには、発電を安定供給するためのバクアップが必要。合弁の相手方の東京ガスが扇島だと思うが、ガス発電施設を用意している。用意をした条件が整って、小売業は22年度から始まる。このときから小中学校への売電ができる。今順調なので、今後も22年度目指して諸条件をクリアしながら順調にいくものと考えている。

③情報公開・情報提供のあり方については、どう考えているか。

区長⇒一組としては、当然各区で支えている事業なので各区への情報提供をきちっとするのは当然のこと。私は評議会でこのことについては議長会に情報提供しますということを、いつも付け加えて了承をもらっている。わが江戸川区のスタッフが情報提供が薄いのかなと反省をする。一組として、とにかく議会のみなさんに事業の中身をわかってもらうことは当然のことなので、積極的にやるべきことと思っている。

④「広報えどがわ」に、清掃事業のことが大きく載っているが、そこに「ごみの焼却量が増えたので売電効果が期待できる」ということが書かれていた。以前にも指摘をし、確認したことだが、「サーマルリサイクル」はごみ減量・資源化の対策に過ぎない。「サーマルリサイクル」を「ごみ発電」の目的にしてしまってはならない。この点についてどうか。

区長⇒売電の問題と資源化の問題は基本的に違う。資源化できるものはできるだけ分別して再利用というのが清掃事業の基本的な問題。燃すこと自体に発電の事業ができる。今まではもったいないことをしていた。相当な発電能力を持っていたのに。必要なものを東電から買って、出てきたものを東電にたたかれて売っていたということがあって、もっとこれを効率的にできないか、ということを考えている。サーマルを売電のためにやったということは決してないわけで、もちろんサーマルは中央防波堤の問題もあるし、そういうこともにらんで当然のこととして踏み切っている。トータルに考えていろんな視点があるが、売電を強調しているわけではなくして、これはもったいないことをしないということで有効活用する、それを清掃事業の財源にあてるということ、その点は意識を持っている。