優秀な人材確保のための職員採用のあり方とは?

2007年度決算特別委員会報告①

 第三回区議会定例会も21日が最終日です。今議会では2007年度の決算特別委員会が持たれ、会派からは木村長人さんが委員になりました。ネットが質問作成に関わった項目について順次ご報告します。

●総務費「正規職員採用について」

①2008年度の人事体制を敷くための07年度職員採用において、江戸川区では31名の正規職員が不足する事態となった。今年の4月、行政サービスを職員不足のままスタートさせたことは失態であった。見通しの甘さが引き起こした事態からどのようなことを教訓としていくのか、今後の採用にあたっての考えを伺う。

職員課長⇒今年は96名の募集をかけている。これを若干上回る合格を見込んでいる。応募の数も一類の事務は1.6倍。いろんな意味で前轍を踏まないために、あらゆる機会をとらえて説明会をしてきた。辞退はどうしても避けられないが、合格のあと、区内の特徴ある施設をバスで回り、行政の裏方も含めて区政の動きについて現場を知ってもらい、愛着を持ってもらう、やる気を高めてもらう、こういった定着対策をしている。

②区は、31名の欠員を1年間に限り、フルタイムの派遣社員で対応することを決めたが、指名競争入札によって選定した派遣会社が結局人材を集められず、その後別の派遣会社2社と契約し直した。当初の時給設定が臨時職員より安かったことが大きな問題。人事においてもコスト削減に重きを置いた結果が招いたことではないか。どのような総括をしたか。

職員課長⇒人材派遣のゴタゴタがあった。受け入れの人材と仕事のマッチングのために、各部ですりあわせをし、受け入れを決める、これに日数が必要だった。実際には1社がやっていたのでなかなか人が集まらない、時給の問題もあった。そこで2社に切り替えた。別に失敗ではなく、契約関係の齟齬については反省しながら適切な対応を図ってきた。

意見)派遣対応は即戦力を期待してのこと。そのためには時給設定は適性を欠いていた。官製ワーキングプアと言われても仕方がないし、明らかに失態だ。

③23区の中で、江戸川区だけが唯一独自採用を行っている。江戸川区だけを希望するという受験者を対象としながら、19年度は17名もが辞退した。区の考えといまどきの受験者の意思にかい離があるのでは? 今後、23区の人事厚生委員会は選抜試験を緩和するようだが、これにも危惧の念を抱く。独自採用の考えも含め、優秀な人材をどのように確保していく考えか、伺う。

区長⇒どういう事情にあれ、必要な人間を確保できなかったということについて抗弁はできない。反省すべきことであり、反省の上に立ってやっている。それは認める。独自採用は理念はいいと考えている。人事権が区に移ったときに中里前区長が断行したこと。他の区長もできればやりたいと思っているが相当な賭けが必要。レベルを落とすわけにいかない。ずっとやってきてレベルに到達しないので、必要な職員が採用できなかったということは一度もなかった。今後も続けていく。独立した区でありながら、職員がどこにまわっていくのわからない、というのは本当はよくない。可能な限り守っていきたい。採用のあり方については、公務員になるためにがりがりやった人しかいい点がとれない、というのではない採用方式を考えようとしている。もっと人物の見極め方、別の視点から求めていく実務に入っていく。今日的な公務員像を確保していきたいと努力している。

意見)地方分権もすすみ、自治が広がる中では、基幹職種として採用される職員の能力は今まで以上に重要になる。少子化、また学習内容削減世代の就職の時期を迎え、企業も優秀な人材の確保に知恵を絞っている。昨年の人事政策を猛省し、独自採用ありき、ではなく、見直しも含めた検討をすべき。