→ミュンヘンの青少年行政を話すハンス元部長(左)。右側3人は「ミニいちかわ」のスタッフのみなさん
11日、市川市で開かれた「遊びに学ぶまち〜ドイツ・日本子どもの参画交流会」に参加しました。みなさんは「遊びのまち『ミニ・ミュンヘン』」をご存じですか?
『ミニ・ミュンヘン』とは、ミュンヘン市の市政そのものを子ども参加バージョンにつくりかえたプロジェクト。3000㎡の敷地に、夏休みの約20日間、通常子どもが参加することのない、職業紹介所、市役所や銀行、証券取引所、議会、大学、テレビ局、カジノ、廃棄物処理場などを、広場や通りも含め、職人や教育専門家などの大人がモデル・シティをつくります。子どもたちは、このまちの生活者として、まず職を探し、働き、得た収入(地域通貨のようなもの)で遊び、物を買い、税金を納めます。選挙権と被選挙権もあり、起業家にもなれ、商業登記も行ないます。まじめさと遊びの両面を兼ね備えたこのプロジェクトを経験すると、子どもたちは「自分が行動することで、何かを変えられる」ことを実感し、「コミュニティの中でいかに暮らすか」ということを学ぶことができます。
79年の国際児童年、85年の国際青少年年に先進プロジェクトとして特別な予算を得て行なわれてきましたが、資金がないとできない現実を目の当たりにした『ミニ・ミュンヘン』の子ども政治家が成果を発揮。そのときの大人の政治家とのネットワークを生かし、要望や陳情を続けることで、ミュンヘン市議会が継続的な予算を承認したのです。
すでに日本でもNPOが中心になって市川市では「ミニいちかわ」、佐倉市では「ミニさくら」が実施されています。まちのしくみは中高生のアイディアでつくられ、スタッフの大人は危険な行動以外は見守るのが原則。子どもに口出しする、命令する、怒る、子どもの意見を否定する、こんな大人はタイホされることも!
基調講演、パネルディスカッションのあとの分科会では、「子ども参画」のためのワークショップに参加。遊びを取り入れた教育の専門家・ハルトムート博士らからその手法を楽しく学びました。子どもの参画を否定することに対して、即座に「字や計算を知らない子どもも教えればできるようになる。子ども参画も同じこと」とおっしゃったことがとても印象的で、思わず大きくうなずきました。分科会の様子はまた次回。