選挙戦終盤、すでに「自民圧勝」との報道。最後の二日間は「劇場型のパフォーマンスにあおられないで」「郵政にまどわされず、自分がこれがいちばん大事と思っていることを争点にして」「コイズミさんも頑張っているから、・・なんて情緒的な判断をしないで」「若いお父さん、お母さん、子どもたちに希望にあふれた未来を手渡すため、選挙権のない子どもたちの分までよく考えて投票を」そう訴えました。持続可能な年金制度をぜひ、男女がともに働きともに子育てできる体制を今こそ、平和憲法遵守・・。どれもこれも自分の意見と合致しているマニフェストはないかもしれないけど、それぞれが最重要に思っていることを基準に投票してこそ「総選挙」の価値があるというもの。だけど、これまでに選挙権を行使していなかった人たちの心を動かしたのは、終始一貫ぶれることのないカレの言動、気迫。
確かにカレはカッコよかった。解散した夜のあの会見。今どきこんなに情熱的な人がいるだろうか。調整することに躍起になっていた政治家とは違い、誰に何と言われようと、やりぬく覚悟がヒシヒシと伝わる。久しぶりに会った友人ともこの話で盛り上がり、林真理子さんもコラムの中で同じ評価をされていた。でも、わかりやすいけど、本当にカレのしようとしていることをよくわかった上での積極的な支持なのか、といえばそうではないのでは? カレが政権をとった4年半、年金・社会保障・地方分権・財政改革、振り返ればどれも未解決のまま。道路公団のこともどうなっちゃってる? 「改革を止めるな。」って、今までちゃんとやってきた? これほど有権者を動かした、その選挙戦略はすばらしかった。でも政権政党としての政策は? ビジョンは? 有権者の側も、考えて選ぶ、という投票行動をした?
3分の2の議席、といえば、憲法改正の発議ができる数。まもなく改正に向けた素案が出てくるでしょう。日本国民として、これからは『よく考えて行動しよう』。小学校の教室に貼ってある「子どもの目標」と同じですね。