容器包装リサイクル法改正、それぞれの立場から討論~とことん討論会第2分科会より①

東京23区とことん討論会では、「徹底討論!どう変える?容器包装リサイクル法-めざせごみゼロ-」をテーマとする第2分科会に参加しました。

容器包装の3Rを進める全国ネットの中井八千代さんが「容リ法改正市民案」の報告。これまで市町村と納税者が負担してきたリサイクル費用を、今後は事業者と消費者、つまり受益者負担とすること、市町村が担当してきた一時選別と保管を事業者の役割とすること、市町村は廃棄物会計をつくり公開すること、プラスチックの素材別選別を優先するなど高品質なリサイクルにすることなどについて発表がありました。

これを受け、環境省のリサイクル推進室係長の水品崇さんから、市民の力で作り上げた市民案をまず評価した上で、「過去にどのような経緯があって今の制度になったのかを知り、それぞれの立場をよくわかった上で代替案の検討に入るようにするといい。」との提言が。リサイクルのしくみについて、よく比較されるドイツと日本のそもそもの違いにも言及しながら、「環境省としては関係者それぞれがお互いの事情を分かりあった上で進めていける調整をしていきたい」、また、レジ袋削減の全国展開や高品質リサイクルの定義などについて検討する、と結ばれました。

江戸川区環境部清掃課長の矢島明さんは、江戸川区の「容器包装リサイクルの取り組み」を発表。不燃物の分別変更、容器包装プラスチックのリサイクルよって2万7千トンあった燃やさないごみが5100トンに減少、昨年から古着・古布のリサイクルも始めるなど9品目12分別を徹底し、プラのベールの容器包装比率は99%を超え、連続してA評価となっていることなどが報告され、現状資源回収と中間処理には3億6600万円が投入されていることから、拡大生産者責任が改めて望まれました。

千葉大学工学部非常勤講師の石名坂賢一さんからは、「なぜ自治体によってゴミの出し方が違うのか」「なぜリサイクルするのか」「なぜごみ処理費は高いのか」。この素朴な疑問に対し、国の委員として関わってきた経験からその実態を明らかに。さらに、高品質のリサイクル品をつくるため、新手法の提案が。今、圧縮選別保管施設では、汚れたものを抜き取っているが、「いいものだけ抜いたら?」という逆転の発想。これによってAランクより上のものをつくり、高品質のベール品としてマテリアル事業者が優先して入札し、マテリアル優先のリサイクルの高品質化が図れるというものです。