スーパー堤防事業と一体の区画整理事業費に反対~第二回区議会定例会補正予算審査①

 昨日閉会した第二回定例会において、江戸川ネットは補正予算に反対しました。その理由は、19億9千万円が計上されたスーパー堤防事業関連費を認めない考えからです。

 補正予算審査は総務委員会付託。総務委員ではない議員には委員外で質疑が認められており、新村議員が質疑を行いました。質問時間は3分。

Q)建物等移転補償費18億6466万円は、全戸何軒分か?

A) 全戸66軒分。借家人十数軒も含む。

 

Q)資金計画では43億2800万円だったが、現状での総事業費は?

A)47億円。裏法面や緑地広場も含む。

 

Q)国がつけたスーパー堤防事業予算42億円のうち、北小岩当該地に配分された12億円の内訳は?

A)江戸川河川事務所に確認したが、工事費を類推できないので出せない、とのこと。

 

Q)議決する判断材料として、事業に賛成・反対の世帯数を伺う。

A)賛成・反対ということではなく、建物調査に応じていただいていないのは6軒。

 

Q)区長は本会議で、スーパー堤防は連続してないと意味がないので事業を続けると答弁した。区内で本事業を続けるにあたって、経費総額をどれほど見込んでいるか?

A)区の「気候変動に適応した治水対策のとりまとめ」では、2兆1千億円と試算している。

 

Q)区長は、直接施行(建物除却などを強制的に行うこと)についてなるべくしないですむように納得していただく、と言っていたがそれは当然のこと。スーパー堤防と一体の区画整理でこれまで強制執行されたケースはあるか。

A)そういうケースは聞いていない。

 

Q)区画整理事業であれば、区画整理法に直接施行が定められているが、スーパー堤防事業は土地を買収することなく、権利者の合意を得て盛り土を行う任意の事業であり、この点において、強制力を備えた事業ではないと認識している。これについての区の考えは? 

A)国との協定締結により共同事業となり、可能だと考えている。

 

 国においては、今年度予算12億円の使途がこの期に及んでわからない? 区においては、1000円単位の事業見直しを行い、学童保育事業における麦茶の予算さえ廃止しておきながら、江戸川区内のスーパー堤防事業に2兆1千億円? 直接施行も視野に入れながら、賛否について回答できない? とても納得するわけにはいきません。

 今回、江戸川ネットは、今後の公共事業のあり方について一般質問(新村議員のHPをご覧下さい)。今後の区の新規大型公共事業及びメンテナンスにかかる経費については、年間で、約100億円との答弁でした。しかしこれには、継続するとしているスーパー堤防事業費は入っていません。今後区内で試算どおり行うとすれば、仮りに200年かかるとして、年間100億円を新たに投入する計算です。

 国土強靭化によってすすめられようとする旧来型の新規公共事業より、既存の社会資本の徹底見直しによって国民の安全を確保していくことこそが最優先されるべき。財源は有限です。この上にさらに江戸川区だけに2兆円をかけて新規スーパー堤防事業を連綿と行うとは正気の沙汰とは思えません。こんなことがなされていては、本当に必要なところにお金がまわりません。この税金の使い方、間違っています。みなさん、そうでしょう?

 補正予算は、28:12 で可決されました。反対した会派は、江戸川ネットの他、民主・みんな・維新、共産、えどがわ区民。