開票立会人を務めました~報告②
係員による票の整理が終わると、まずは有効票が次々と立会人のもとへ。候補者ごとに、500票の束が9つ入る箱に入れられてきます。得票の多い候補者は、この箱が一度に4箱、18000票ほど運ばれてきます。運ばれてくる順番が、結果的には当選順位を表すことに。これらを10人の目で確認し、束の上にあるチェック票にそれぞれ確認印を押していきます。開票作業に時間がかかり過ぎるとの指摘を受けている江戸川区選挙管理委員会。「有効票は誰が見ても有効であり、疑念の余地がない票」とは立会人説明会でも当日も言われたこと。速やかな確認を、との催促により、ほとんど流れ作業のように進んでいきました。
有効票がすべて確定したあと、いよいよ疑問票の判定。開票作業は11時半頃終了していますが、ここに至る時間は、そこから約3時間。区選管では、せっかくの投票行動を無駄にしないために、疑問票の読み取りに時間をかけています。ここにどれだけの時間がかかるかで確定時間が左右される? この間、立会人は手持無沙汰。「どのような票で悩んでいるのか、近くに行って見てもいいか?」とお聞きしたところ、「プレッシャーになりますから」とやんわりお断りされました。疑問票係の判定が終わったこれらの票の上には、判定付票が付いており、立会人は有効欄か無効欄いずれかに押印します。なぜ有効なのか、あるいは無効なのかについてはもちろん説明を受けた上で。
今回、選挙区では、立会人の指摘により、無効とされた票が1票、有効票になりました。これは「候補者の氏名以外に他事記載がある」との理由で無効と判断されたものでしたが、「政党名ではないが、国会内の会派名が書かれたものであり有効である」との指摘に基づき、再度諮られた結果、有効となりました。政党名や敬称などは他事記載とはなりませんが、書かれたものが正式な会派名であることの確認がされていなかったということ。比例区でも、ある党の票に、別の党の票が重ねられていたことがやはり立会人の指摘で判明しました。立会人は投票の効力について意見を述べることができるのであり、最終判断は選挙管理委員会ですが、この職務、重要です。
最後は、係員が積み上げられた票を段ボール箱に詰め、密封したところに立会人の確認印が押され、任務終了となりました。
無効票と判定される中でもったいないのは、候補者を強調したいあまりでしょうか、名前を〇やカッコで囲んでしまうこと。わきに似顔絵を書いたケースもありましたが、これも他事記載にあたり無効。また、わざわざ政党名も併記し、それがその候補者の政党ではないということも。今回の無効票は260292票中5736票。選挙区の投票は、一人の候補者名だけをはっきりと書くことが原則。気を付けましょう。
確定プロセスが複雑な比例区の作業については、過去の経験に基づき、選挙区には見られない、手づくり感満載の作業グッズの工夫がなされていました。
そもそも、票を開放するために設置された長机の脚にすべて添木をして、作業しやすいように高くするという涙ぐましい努力のあとも。場内での写真撮影は禁止のため、見ていただけないのが残念。
開票所での作業に関わったのは区の職員の方600人と、プラス民間業務委託の方数十名。板橋区では、開票作業のやり直しとなったそうですが、この作業を見るにつけ、衆参ダブル選挙になったら、それこそ大変な混乱になるだろうと思わせられます。3年後の2016年にはその可能性もあり、選挙管理委員会では頭を悩ませていることでしょう。
ところで、投票率、江戸川区(選挙区・比例区)はオール東京(選挙区、比例区)で最下位の49.11%でした。八丈が最も高く62.42%。島しょを除けば、文京区の59.67%が最高。都の平均は53.51%で、前回より5.19%ダウン。江戸川区では5.84%下がり、都で唯一40%台に。区内では、清新第一小が唯一60%を超え、62.82%でしたが、40%台が33か所もあり、最も低いのは第4葛西小の40.59%でした。
お昼の時点での投票率の余りの低さに、午後、江戸川区原爆犠牲者追悼式の式典に登壇した多田区長が、来場者に投票を呼び掛けたほど。江戸川区における投票率アップ、古くて新しい問題です。