被告の主張に、実際の映像で対抗~スーパー堤防取消訴訟第9回口頭弁論②

市川市から川向こうの江戸川区を臨む。左のJR総武線と右の市川橋の間、川の上方の広大な河川敷と堤防に連なる一画が当該地。

 原告弁護団がパワーポイントを使って説明した主な内容は以下のとおりです。 

 まず、北東の放射14号線、北西の補助142号線、南東の河川敷、南西のJR総武本線に囲まれた地域であることを航空写真で確認。東西140m、南北100m、面積1.4haの当地が周辺と比べ、取り立てて密集地でないことが明らかに。 

 北側14号線から本件土地への進入路は現存し、階段状の段差はなく、自動車も通行可能であること、また、南東の河川敷からも自動車の進入はできており、本件地区と堤防部分が接している距離は100m程度に過ぎないことを映像で紹介。現況の道路が特に不自由でないことを主張しました。  

 さらに、142号線沿いに高低差はなく、現状でもJR線側の既存道路の歩道部分を取り除き、多少の整備をすれば接道でき、他の部分でも道路整備さえすれば現況でも接道可能であることをやはり映像で明確にしました。昨年末の火災発生時、消防車が2台入って消火活動を行ったことに照らし、防災機能上問題はないことも改めて主張しました。 

 14号線には、一か所階段状の歩道があるものの、堤防から30~40mしか離れていない地点であり、あくまでもこの周辺住民のために存するもの。これがなくとも、進入路は確保されており、この解消のためだけに盛り土をする必要はありません。 

 そもそも事業計画案によれば、この段差のある道路は計画からはなくなっており、現存する14号線と本件区域との進入路のみを残し、単にそれを拡幅するだけの計画になっています。つまり、この階段状の段差があるかどうかは関係のない計画になっているのです。14号線は、堤防上の市川橋から続いているため、堤防から14号線と142号線との交差点に向かってはなだらかに下っていますが、これは堤防に道路がかかっているため当然のこと。市川橋の四方はすべて14号線と同一の平面とはなっておらず、本件土地だけが特異な構造ではないのです。 

 JR総武本線側の道路と西側142号線と通じる部分の道路についても、現在歩道があり、道路面より若干高くなっている、また、JR総武線と142号線の交差においては、総武線をくぐるため、142号線の道路が少し下げて舗装されているだけというのが現状。この場所の142号線の反対側の総武線側道路は142号線と接道しており、盛り土とは全く関係なく、道路整備さえすれば接道は十分可能であることが説明されました。