市民 vs 議員 ~ 北小岩スーパー堤防視察

スーパー堤防反対住民40名が現地に集合。日本地質学会、日本堆積学会、応用地質研究会等会員の渡邉拓美さんから説明を聞く。

 10日、江戸川区議会建設委員会が北小岩1丁目東部地区で本格化したスーパー堤防の盛り土工事の状況を視察することに伴い、反対住民や支援者、弁護士、地質専門家ら40名が現地に集まり、事業反対のアピール活動を行いました。江戸川ネットからは、政策委員の本西みつえと私が参加しました。 

  この視察は、国土交通省と江戸川区が同日午後、地権者に現地説明をするに先立ち、議会への説明を行ったものです。視察団は有志議員も加わり、総勢24名。 時間はわずか15分ほど。

 現地は、住宅側の堤防が階段上に切り取られていました。既設の堤防とスーパー堤防の盛り土をなじませるため、堤防を階段状に整形するのだそう。また、JR線路側では盛り土工事が。運搬した土砂をブルドーザーで30㎝の厚さに敷き詰めることをすでに7回行い、今は8回目なので、2m40cmの盛り土になっているとのこと。振動ローラーで踏み固め、各層ごとに盛り土を締固め、さらに土の密度をRI機器や砂置換法により測定し、締固めの管理をすると言います。Ⅰ期工事は、今年6月まで、Ⅱ期が11月まで、Ⅲ期が来年3月までとされています。 

 こうした説明だけを聞いていれば問題ないようですが、公共事業改革市民会議のメンバーが情報公開請求により入手した「北小岩一丁目地区堤防整備施工計画書」(奥村組土木興業株式会社)をチェックした地質の専門家からは、「ドレーンなど堤体内の水抜き対策が見当たらない。排水設備は工事中の現場が水浸しにならないためだけのものでは? 品質管理も施行業者自身が行うのでは、どこまでチェックできるのか。沈下観測についても図が不明瞭で配置や測点数などが適正かどうか、内容が明確に把握できない。観測時期も盛り土の開始から完了までであり、その後観測は継続されるのか」など、疑問点が数々出されています。 この施工計画書の施工管理計画では、品質管理について、「社内規格値を超えた場合の対応」は、全面黒塗りで非開示となっています。

 国と区は、午後の現場説明会も地権者に限定しました。地権者だけでなく、現地周辺の住民の方々、さらに、本事業に疑問を抱く区民・国民を排除することなく、堂々と説明をすればいいのに。そうしないのはなぜでしょうか?  

 6日開かれた、東京都都市計画審議会では、当地の土地区画整理事業計画の変更にあたり、出された意見書を不採択とすることを決定。意見書を出した私のところにも不採択通知の紙一枚が届きましたが、こういう議論の末、こうなった、とせめて書いて、教えてほしいもの。

  議員視察について報道した朝日新聞紙面によれば、建設委員会川口俊夫委員長は「北小岩をモデル地区として立派なものを完成させてほしい」と語ったとのことです。

 

正面が段切りされた既設堤防。写真右側でⅠ期工事が。